学校にて ページ16
「なぁ、ユカ。お前が一緒に住んでる…その……」
「IDOLiSH7？」
「そう。そいつら…どんな人達なんだ？」
学校の昼休み。弁当を食べながら零斗から投げられた質問に縁はそうね…と、少し考えた。
「悪い人達では無いわね。男性の中に一人だから、私に結構気を使ってくれてるし、料理は美味しいし。…このお弁当も、和泉三月さんが作ってくれたの」
「へぇ…綺麗だな」
零斗は感心した様に頷くと、唐揚げ貰っていい？と問い掛け、答えを貰う前にひょいと口に放り込んだ。
「あ！ちょっと！」
「ん、美味い。ユカのも美味いけど、それよりも美味いんじゃないか？」
「…今度料理を教わろうかな……でもいきなり言ったら迷惑じゃないかな…」
彼は自分より料理が上手だと自覚がある為眉を寄せ考えていると、思いついたように顔を上げた。
「さっきの話、そんなに気になるなら今度路上ライブがあるから、行ってみるといいわ」
縁は携帯でIDOLiSH7のホームページを立ち上げると彼に見せた。そこには小さく路上ライブの告知がされている。「それ、姉さんが作ったのよ」縁が得意げに告げると「紡さんが？凄いな」と零斗は感心したように頷いた。そして、更に言葉を続けた。
「…ユカは？行かないのか？」
「………はっきり言うと、まだあの人達を『アイドル』として観る価値はないと思ってるでも、才能はあるんだから…改善したらもっと……」
「それで？行くのか？行かないのか？」
縁の言葉を遮る零斗の言葉に、縁は一瞬詰まるも
「行くわよ、一応…姉さんの仕事だもの」
と告げた。
「あの人達が姉さんに見合う人なのか…見極めなきゃ」
縁が続けて小さくそう呟いたのを、零斗は確かに聞いていた。
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作者名：桜華 | 作成日時：2020年4月21日 21時
