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それぞれの始まり ページ2
夜空に反射するライト。響く歌声と音楽。楽しそうに踊っている彼らから光る汗。観客は両手で足りる程。この場に居る全員が笑顔だ。観客席の更に遠くからそれを見つめる彼女を除いては。
「姉さんが手掛けるアイドルって聞いたから見に来たけど…」
ステージの上で踊っている彼らは正直に言って、まだアイドルと名乗れる程の技術は無い。と、私は思った。
荒削りだが、それぞれの輝く個性はある。ただ、グループとしてのまとまりが無い。
「IDOLiSH7…か…」
そう呟くと、どうやらステージが終わったらしい。夜空に少ない数の、割れんばかりの拍手が響いた。彼女はその拍手を背に、その場を離れる。
高く結んだ髪が、黒いリボンと共に揺れた。
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作者名：桜華 | 作成日時：2020年4月21日 21時
