29.店の名前の由来 ページ31
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…何やら後ろでまんば君が笑っているんですが。
まあ、大体の予想は付きます。
私も思わず、と言う所でしたから。
それにしても、と店の中を見渡す。
外観と同じように赤と緑を基調とした内装になっており、その色はやはりこの二人を思い起こさせる。
そう言えば…何故『春告姫』なのでしょう？
春告草なら梅だとわかるのですが、姫と言うのは一体何なんでしょうか。
もしや、誰かの事を指しているんですかね？
「あの鶯丸……おや、まだ大包平は固まったままですか」
「ああ。どうやら再会の喜びと主が…いや、Aだったか。Aが思っていた以上に幼くなっていた事に驚いたのだろうな」
「…まあ、これは誰でも驚きますか。そう言う貴方はあまり驚いた様には見えないのですが」
「ん？これでもかなり驚いているぞ？けど、大包平が俺の分まで驚いてくれたからな、反応し遅れた、とでも言っておこう」
そう言い、鶯丸は持っていたお茶を飲む。
「所で、今何か聞こうとしてなかったか？」
「そうでした。えと…喫茶店を始めた事には素直に良いと思ったのですが、何故店の名前が春告草ではなく『春告姫』なんですか？」
鶯丸と大包平は梅が好きだった筈だ。
そこから変えて、何らかの意味があっての『春告姫』なのだろうが、そこが知りたくなった。
はっ！
もしや、二人には既に大切なご婦人がいらっしゃるとかですかね？
…うん、それなら納得がいきますね。
好いた人をイメージしたものを店名にするのも分からなくもないですし。
「ああ、それか」と鶯丸はお茶を飲むのを一旦止め、何故だかとても嬉しそうに私に笑みを浮かべ、呟いた。
「『春告姫』と言うのはな、主…Aの事だ」
「…へ？わ、私ですか？」
勿論、と鶯丸は再度頷いた。
それに便乗してか、まんば君と鶴丸もそれを肯定する。
「Aは前世から梅の花が好きだっただろ？しかも、いつも梅の花が咲く頃になると君が一番に俺達にそれを教えてくれたじゃないか」
「ああ、そうだったな。梅の花もだが、あんたは桜も好きだった」
「で、毎年の様に続くもんで、まるで春を告げる姫の様だなって話になってな」
「そこからだな。俺達の中でそう言う呼び名が出来たのは」
懐かしいと笑顔で話す彼らを私はぽかんとしながら見上げた。
し、知りませんでした。
まさか自分が裏ではその様に呼ばれていたなんて…。
少し熱くなった頬を手で隠した。
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続く (更新停止中)
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橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！もし続くようでしたら、続きを楽しみに待ってます！(*´ω｀*) (2021年9月26日 5時) (
レス) @page31 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - ぎゃんかわ…これからも無理せずに頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年1月7日 12時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - テクノさん» 癒されてあげられている様でとても嬉しいです^ ^ (2019年3月21日 0時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 通りすがりさん» 教えて下さり、ありがとうございます！自分なりに訂正したのですが、まだおかしい点がある様でしたらまたご指摘お願いします！ (2019年3月21日 0時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
テクノ(プロフ) - まんばちゃんと主ちゃんがかわいくて癒されます (2019年3月21日 0時) (レス) id: 5d0adffebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヒア | 作成日時：2018年4月1日 21時
