10.少し遅めの友人 ページ12
…あー心配だ。
もうすぐ放課後だが、現在授業真っ最中。なのに、頭の中はAの事ばかり。
ひとりで外に行かせるのは、まだ早かったんじゃないか？もし、誘拐でもされたら……早く放課後になってくれ、頼む…っ！
なんて事を思っていると、後ろから「なあ」と声を掛けられた。
振り向くとそこにいたのは同じクラスの轟焦凍。
「…俺に何の用だ」
「…お前、昨日職員室に呼ばれてただろ。お前も推薦、来たのか？」
「……」
轟焦凍はNo.2ヒーロー、エンデヴァーの息子と言うのでかなり有名人だ。
だが、本人はそれが嫌らしく、いつもエンデヴァーの名を聞く度に不機嫌そうに顔を歪めていた。クールで近寄り難い存在。
だが…そんな奴が俺なんかの推薦に興味を持つのか、よくわからない。
「どうなんだ」
「…来たが、どうして俺の推薦に興味なんか持ってるんだ？」
「それは……」
…何なんだこいつ。よくわからないな。
それになんだか周りが五月蝿くなって来た。
口を閉ざし、黙り込んだ轟。
俺はどうする事も出来ず、ただ続きを待った。
そして数分後に漸く口を開いた。
「……俺と、少し似ていると思ったから。だから、入学した頃から気になっていた」
俺と轟が、似ている？
入学した時から気になっていた？
一体何故…。
「…あんた、ミカヅキの息子なんだろ？」
「な…！？」
世間は知らない事のはずだ。
なのに、彼が知っていた事に俺は驚きを隠せないでいた。
そう、ミカヅキと言う名のヒーローは俺の父だ。
前世は三日月宗近、天下五剣の一振。主の刀だった。そして、転生後俺の父親として再会した。
三日月は俺の母の家に婿養子となったらしく、今世の本名は山姥切宗近だ。
数年前にヒーローを引退し、今は何をやっているのか俺もよく知らない。
……そう言う事か。
同じ有名なヒーローを父に持つ者同士、同じ立場にいると思ったのか。
だが…
「…悪いが、俺はあんたとは同じじゃない」
「！」
「あんたの気持ちを俺は理解出来ない、と思う。すまない」
「…そうか」
「けど、お前となら友にはなれる…と思ったんだが、どう…だろうか」
「！」
くそ！自分からこんな事を言うなんて。我ながら恥ずかしい。
しかも中学も今年までと言うのに、今から友人になろうなんて…馬鹿か！
悶絶していると、スッと手が差し出された。
轟の手だ。
「…俺も、そうなれば良いと少し思っていた。宜しく…山姥切」
「！…宜しく、轟」
俺は轟の手を握った。
.
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橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！もし続くようでしたら、続きを楽しみに待ってます！(*´ω｀*) (2021年9月26日 5時) (
レス) @page31 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - ぎゃんかわ…これからも無理せずに頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年1月7日 12時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - テクノさん» 癒されてあげられている様でとても嬉しいです^ ^ (2019年3月21日 0時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 通りすがりさん» 教えて下さり、ありがとうございます！自分なりに訂正したのですが、まだおかしい点がある様でしたらまたご指摘お願いします！ (2019年3月21日 0時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
テクノ(プロフ) - まんばちゃんと主ちゃんがかわいくて癒されます (2019年3月21日 0時) (レス) id: 5d0adffebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヒア | 作成日時：2018年4月1日 21時
