弐拾弐ノ怪 優しい仲間 ページ24
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外の空気に当てられて、ようやく顔の熱が治ったと判断した私はかまどベーカリーへ直行した。
時間を見ると、約束していた時間より約四十分も過ぎてしまっている。
よく見ると皆からの通知が何件も入っており、申し訳ないと思いつつ、心の中でごめん〜と一度謝りながら走るペースを速めた。
そして、ようやく目的地であるかまどベーカリーへ辿り着いたのだった。
勢いよくドアを開ける。
「みんな…!ごめんッ遅れ……た?」
開ける力が強かったせいか、ベルがガチャンッと鳴った。
中の様子はと言うと、テーブルにたくさんのパンが置かれていたのだが、皆席に座らずに携帯を手にして立っている、と言う状態だった。
そんな彼らの目は大きく見開かれている。
「あ、あれ…皆まだやってなかったの?」
「「「「……」」」」
「…えっと??」
謎の沈黙。
理由が分からず、私は首を傾げる。
え、え、えーっと?
何これ?何この状況。私わからんのだが?
パンパーティーしてなかったの?
…ハッ!まさか、私を待っててくれたの!?
そ、そんな…申し訳ないなぁ。
「ごっごめんね皆!ちょっと色々あって遅れちゃって…」
「「「「よ…」」」」
「よ?」
「「「「よかったぁあああああッ!!!」」」」
「!?」
皆一斉にそう言うと、目を見開いた真顔状態からホッと安心した笑みを溢した。
「よ、よ"がったァアあ"あ"ッッ!!」
「うわっ…で善逸!?なんつー顔…」
「だっでぇ!Aちゃん…約束した時間に来な"いなんてごど初めてでェェ…心配じだんだよぉおおッッ!!」
「ほーら!だから言ったじゃねえか!なんたってコイツは俺様の子分なんだからなッ!!……ケド、………心配、シタ」
「皆も、もちろん俺も本当に心配したんだぞ、A」
「でもよかったァ…何もなかったみたいで!」
「今度から何かあったら連絡ぐれぇしろよな」
「私も…心配した、A」
も……申し訳ないィイイイッッ!!
あの伊之助でさえ、心配してくれただなんて…。成長したねぇうんうん。
言っとくけど、原因は花子さんなんで!!私被害者なんで!!…なんて、言えないよね。ハハ…。
でも…うん。
やっぱり皆あの時と変わらず優しいなぁ。
ま、私しか覚えてないんだけどね!
「よし!じゃあ、今からパンパーティーを始めよう!」
「「「待ってましたぁああ!!」」」
今笑い合えるこの時間を大切にしなきゃ。
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なな(プロフ) - こういう話大好き!!続き楽しみにしてます! (10月24日 15時) (レス) @page30 id: fe31627149 (このIDを非表示/違反報告)
chisa - キメツ学園と地縛少年花子くんのコラボ、面白かったです。更新楽しみにしてます!これからも頑張ってください応援してます! (2022年10月10日 15時) (レス) @page31 id: c8930b3d1a (このIDを非表示/違反報告)
ふわにゃん - とっても面白いです!続き楽しみにしていますね! (2020年7月28日 19時) (レス) id: 0abe5ea8a5 (このIDを非表示/違反報告)
水無月梅雨 - 犬夜叉要素があって、ものすごく笑いました!これからも頑張ってください!!! (2020年7月5日 12時) (レス) id: 82fc76c663 (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮紗綾 - 犬夜叉の要素があったりしてめちゃくちゃ面白かったです!更新楽しみにしてます!!! (2020年7月2日 21時) (レス) id: 83427b663d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年3月27日 14時