弐拾壱ノ怪 熱が籠る顔 ページ23
.
「…あ、あの花子さん?」
「んー?」
「いつまで撫でてるんですかね…!?」
よく頑張ったねー、と花子さんに褒められて撫でられるのはまだいい。
けど長い。
寧々がすぐそこに居るのに気にせず、ずっと私の頭をヨシヨーシと撫で続ける花子さん。
戸惑いしかない。
「…だって、ヒモリ。褒められると嬉しいんでしょ?」
「た、確かにそう言ったけど…けども、ね…」
最初は頭だけを撫でていたのに、気付けば両手を使って頬、耳、顎や首筋なんかまでをスルスルと撫で始めていた。
頬をむにむにと触ってみたり、耳の裏や耳朶を柔く揉んでみたり、顎や首筋をつつ…となぞって見たり。
そんな触り方をされたら、そりゃもう擽ったいたらない。
後、実に手つきがヤラシイのだが。
「ん…ッ、花子さ……もう…ッ」
「…んー。もうちょっとだけ、ね?」
……何だ、何なんだこれは。
今私は一体何をされてる。
何の為にこんな撫でられてるの。
何なんだこれは、罰?何かの罰なの?
いやてかもう…色々限界、なんですけど…!?
そうして暫く羞恥心に堪えていると、ふいに花子さんの指がスゥ…と背中の付け根から上へ撫で上げた。
「ひぅ…!?」
ゾワゾワッとした何とも言えない感覚が、体全身を突き抜けた。
も う 限 界
私はドンッと少し強めに花子さんの肩を押す。
「わ!」と言って、やっとのことで花子さんから離れる事が出来た。
その隙を逃さない私は、即座に立ち上がる。
「…〜〜ッもういいでしょ!?おしまい!!私帰る!!じゃあね寧々!!」
「へっ!?あ…ぅ、うん…」
花子さんを放って寧々にだけそう挨拶をし、私はそのまま背を向けて走った。
……な、何なんだったのアレは!!
最初の頑張りました的で撫でるのはまだよし。
けどね…問題はその後!何なのアレは!!
頭だけじゃなく、ほっぺや耳まで…!
流石にあの撫で…触り方はないってのッッ!!
カアーッと赤く熱った顔を両手で押さえながら、がむしゃらに走り続けた。
「……しばらく花子さんには会わない。そう、会わない様にしようそうしようハイ決定ーーッ!!」
早くかまどベーカリーに行って、炭治郎達に癒して貰って今日のことは綺麗サッパリ忘れようそうしよう。
だが、かまどベーカリーに行くその前にこの熱った顔をなんとかしなくては…と思った。
.
330人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なな(プロフ) - こういう話大好き!!続き楽しみにしてます! (10月24日 15時) (レス) @page30 id: fe31627149 (このIDを非表示/違反報告)
chisa - キメツ学園と地縛少年花子くんのコラボ、面白かったです。更新楽しみにしてます!これからも頑張ってください応援してます! (2022年10月10日 15時) (レス) @page31 id: c8930b3d1a (このIDを非表示/違反報告)
ふわにゃん - とっても面白いです!続き楽しみにしていますね! (2020年7月28日 19時) (レス) id: 0abe5ea8a5 (このIDを非表示/違反報告)
水無月梅雨 - 犬夜叉要素があって、ものすごく笑いました!これからも頑張ってください!!! (2020年7月5日 12時) (レス) id: 82fc76c663 (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮紗綾 - 犬夜叉の要素があったりしてめちゃくちゃ面白かったです!更新楽しみにしてます!!! (2020年7月2日 21時) (レス) id: 83427b663d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サヒア | 作成日時:2020年3月27日 14時