玖ノ怪 今は見守りたい ページ11
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拗ねた花子さんの機嫌をなんとか取り直し、寧々の願いである“源会長と今すぐ両想いになりたい”と言う願いを果たすべく、贈り物をしたり、キャラ弁を作ったりと…色々試したのだが。
全てどれも上手くいかずに終わった。
いやぁ、色々やったけど、夏野菜が珍事件になったのが笑ったなぁ。ぶふっ…。
狐の恩返しみたいで可愛いとも思ったけど。
そしてついさっき試した“恋の曲がり角作戦”(何だそれ)は、タイミングが合わず、しかも中等部の男子と衝突すると言う始末。
その光景を私と花子さんは「ウワー…」と眺めていた。
その後私達は女子トイレに戻って来たのだった。
寧々は涙目になりながら、赤くなった額を鏡で見ていた。
「もう〜〜全然ダメじゃないぃぃ!」
「えへへ」
「えへへ、じゃない!もーAもなんとか言ってよ!」
「急にこっちに振るのやめて?…確かに、どれもありきたりだなぁと思ったけど」
「やっぱりそうよね!?花子さん、もっと手っ取り早く…」
「んー、じゃあ」
くるんと宙で逆様になり、ひょこっと覗く様に寧々と顔を合わせた花子さん。
「告っちゃおっか」
「こっ…無理!」
「手っ取り早いっちゃ手っ取り早いね…」
「でもさ!俺も初心者だし、もうそれくらいしか案が…」
……こいつなんて言った?
…今初心者って言ったよね。………え?
「「しょっ…初心者ーーーッッ!!?」」
「や〜俺を呼ぶヒトも呼べるヒトも中々少なくてさ」
「どうりで変だと思ったのよ!お化けのくせに普通のものしか出さないし、やり方が健全過ぎるし…!」
「俺ってケンゼンな花子さんだから♪」
「初心者なだけでしょ!!」
「ふ、フケンゼンな道具もあるから!」
「それはそれでどーなの…」
怒る寧々、焦る花子さん。
私はそんな二人を後ろで見守る事にした。
何故かって?
はっきり言ってそんな事だろうとは思ってたし、つい叫んじゃったけど。
あと
寧々が本当に源会長の事が好きなのかも分からないし。
下の名前も知らない上、何が好きなのかも調べようともしてない。
自分の名前を覚えて貰おうともしてなかった。
ただ一ヶ月前に好きだった人を見返したい。
なら、この間花子さんが言っていた『両想いになれるなら誰でもいい』のだろう。
…ま、本人は自覚してないみたいだし、見守るのが最適と私は判断した。
「Aも何か言ってよ!」
「いやだから私に振るなよ!」
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なな(プロフ) - こういう話大好き!!続き楽しみにしてます! (10月24日 15時) (レス) @page30 id: fe31627149 (このIDを非表示/違反報告)
chisa - キメツ学園と地縛少年花子くんのコラボ、面白かったです。更新楽しみにしてます!これからも頑張ってください応援してます! (2022年10月10日 15時) (レス) @page31 id: c8930b3d1a (このIDを非表示/違反報告)
ふわにゃん - とっても面白いです!続き楽しみにしていますね! (2020年7月28日 19時) (レス) id: 0abe5ea8a5 (このIDを非表示/違反報告)
水無月梅雨 - 犬夜叉要素があって、ものすごく笑いました!これからも頑張ってください!!! (2020年7月5日 12時) (レス) id: 82fc76c663 (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮紗綾 - 犬夜叉の要素があったりしてめちゃくちゃ面白かったです!更新楽しみにしてます!!! (2020年7月2日 21時) (レス) id: 83427b663d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年3月27日 14時