肆ノ怪 売られた私 ページ6
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前世とは違って私ただの女の子だし、刀ないし…いやてかその前に幽霊って斬れんの?
…無理ー!無理だわこれー!
「ハイ!自己紹介させて頂きますッ!私は高等部一年、燈杜Aです!」
「ヒモリね、ヨロシクー」
「って事で私は帰らさせて頂きます!」
そのまま踵を返して帰ろうとした所、後ろで待機していたもっけの大群に道を阻まれた為、結果女子トイレから出られなかった。
「ちょ!何で邪魔するのー!?」
「だめ、だめだ」
「こいつ、ななばんにやる」
「だからななふしぎにしろー」
「うーん、勿怪を七不思議に入れる事は出来ないカナー」
「なんでだ」
「いれろー」
「いれろー」
「こいつやるから、いれろー」
「だっからね!?私を取引の景品にするな!!七不思議?になりたいんだったら自分で頑張りなよ!とにかく私は帰り…」
「でも、ヒモリはありがた〜く頂くね!ありがとね勿怪!」
「……………は」
踵を返した私の背後を取り、花子さんはぎゅっと私の首元に腕を回した。
……待って、落ち着け落ち着け。
取引?はまだお互い了承されてない。
もっけが七不思議になる事が条件。だけど、花子さんはもっけを七不思議にする事を断った。私は無事、関係ない、帰れる。
……よォし、大丈ー夫。大丈……
「七不思議には出来ないけど、アメならたーっくさんあるからさ、これあげる!だから…ヒモリちょーだい?」
「ななふしぎになりたい」
「だが、アメほしい」
「アメいっぱい」
「しかたない、アメもらう」
「だからそいつあげる」
「やるからアメよこせ」
「……ぇ…?アメ…?あ、あの…ちょっと、もっけさん方…?」
「わーい!これで取引成立だね!はい、これが取引のアメだよ〜」
花子さんが投げた大量の飴玉に大量のもっけが集る。
その光景を私は言葉を無くし、ただぽかんと口を開けたまま見ている事しか出来なかった。
……ちょっと待って?
いきなり拐われて、連れて来られて、飴玉に負けて売られた…?
…え、いきなり過ぎる展開に私付いていけない。
「そーゆー訳だから、今日からヒモリは俺の!」
「…え、あの……拒否権は」
「ん〜〜っナイ!」
口から魂が出るんじゃないかと言う程、体に力が入らなかった。
そんな私を気にせず、ぎゅうっと抱き締めながらにぱっと笑う花子さん。
「これからヨロシクね、ヒモリ♪」
事の進みが早過ぎて、付いてけないィ…。
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なな(プロフ) - こういう話大好き!!続き楽しみにしてます! (10月24日 15時) (レス) @page30 id: fe31627149 (このIDを非表示/違反報告)
chisa - キメツ学園と地縛少年花子くんのコラボ、面白かったです。更新楽しみにしてます!これからも頑張ってください応援してます! (2022年10月10日 15時) (レス) @page31 id: c8930b3d1a (このIDを非表示/違反報告)
ふわにゃん - とっても面白いです!続き楽しみにしていますね! (2020年7月28日 19時) (レス) id: 0abe5ea8a5 (このIDを非表示/違反報告)
水無月梅雨 - 犬夜叉要素があって、ものすごく笑いました!これからも頑張ってください!!! (2020年7月5日 12時) (レス) id: 82fc76c663 (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮紗綾 - 犬夜叉の要素があったりしてめちゃくちゃ面白かったです!更新楽しみにしてます!!! (2020年7月2日 21時) (レス) id: 83427b663d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年3月27日 14時