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簡単なものしか作れません ページ7

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『…なんかまた騒がしくない?』





そう言って私はベッドから起き上がり、髪を編み込み、サッと男装の基盤となる制服に身を包む。

ちらりとベッドを見ると、ユウ君とグリムはまだ夢の中だ。



ユウ君って、結構根性座ってると言うか…こんなにうるさいのに起きないって逆に凄いと思う。ちょっと羨ましいかも。

この騒いでる声はエースと……ん?スペード君?
エースを迎えに来たのかな…。確か同じ寮だったよね?
…まあいいや、ユウ君とグリムはあと少しで起こすとして、私は朝食でも作りますか!



昨日中にキッチンらしき場所を発見したので、少し掃除したのだ。
食材は学園長が簡単なもののみだが、持って来たのでこれで朝食だけなら作れるだろう。

学園長から貰った食材は、食パンと卵、牛乳、ソーセージ。逆にこれしかないってどーよ…。
これなら焼くだけでも、それなりの朝食が出来る。
料理がそこまで得意ではない私にも作れるだろう。


エースとスペード君の騒ぐ声をBGMにして、私は朝食を作った。
私が作った朝食は、フレンチトーストと焼いたソーセージ。

本当は食パンはトースターがあれば焼きたかったのだが、埃塗れのトースターに食パンを突っ込む程の勇気がなかった。



ほんっっとに簡単なものしか作れないんだよね、私。

チョコレートを使ったお菓子ならなんでも作れるのに…おっかしいなぁ。
快斗は意外となんでも作れるのに、何故私は無理なの。





『ハッ…!ユウ君とグリムを起こさないと!あとついでにエースとスペード君も』





ついでに多目に作ったフレンチトーストを持って、談話室に向かう。
するとそこの玄関でエースとスペード君の姿を発見した。





『あ、やっぱスペード君じゃん』

「!ああ、おはようA。昨夜、突然コイツが押し掛けてすまない」

「いやオレかよ!!実質お前もだろーが!…ん?何それ、フレンチトースト?」

『うん、朝食にと思って。よかったら二人も食べない?お腹空いたでしょ』

「え!マジ?いいの?サンキュー!」

「え、ぼ…僕までいいのか?」

『別にいいって。んじゃこれ、談話室までお願い〜。俺はユウ君とグリム起こして来っから』





はい、と戸惑うスペード君に朝食を乗せたお盆を託して、私はユウ君とグリムを起こしに階段を上がった。


部屋に入り、布団に包まったままのユウ君とその横にお腹を出して寝ているグリムの肩を揺らす。





『おーい二人共起きてー、朝だよー』







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一緒に謝りに行きましょう→←まさか…そっち系??



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抹茶って美味しいよね(プロフ) - とても面白かったです!最新頑張ってください!!楽しみにしてます! (2020年6月24日 22時) (レス) id: 8bfe17f4aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サヒア | 作成日時:2020年6月2日 2時

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