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うぅ…もう此処に来れないじゃないですか…。
こんな…行成叫んだ人が客とかお店も恥ずかしいじゃないですか…。
もう来れない…。うぅ〜…ハムサンドを堪能してしっかりと味わって思い残しのない様に記憶して置こう。
ずぅ〜ん…と見るからに落ち込んでいると、原因でもあるお兄さんが撫でる様に頭の上に手を置いた。
幽霊なので人には触れられない。
それでも此のお兄さんは、私の頭をまるで撫でる様に手を動かした。
『ごめんな、Aちゃん。揶揄い過ぎた』
「…も、いいンです。来るの、今日で最後にしますから…。ハムサンド…だけでも食べて…」
『あー…………うん、それちょっと無理っぽい。ほんっとにごめんな!?』
「…?」
俯いていた顔を少し上げ、何故?と首を傾げる。
何故無理だと云うのだろう。
もう此処には来れない、恥晒しだ。博打した。心が痛い。そこまで自分は前向きではない。
なのに、無理っぽいと云うのは、一体何故なのだろうか。
何故か冷や汗ダラダラのお兄さんが、ちょいちょいと注文を聞き終わってキッチンに戻った金髪色黒美形さんを指す。
『あいつ、俺らのダチなんだ』
「?…はぁ」
『で、さっきAちゃんは、死んだ筈のダチの名前を叫んだだろ?』
「はい……………………ヒッッ!!?」
『あ、俺が言いたい事、わかった?』
口を両手で押さえ乍、私は何度も小さく、けれどしっかり頷いた。
ヤバい事に気が付いてしまった有島A。
今回私は、お爺ちゃんが死んでから、一番ダントツでヤバい事をしてしまった様です。
昔死んだ筈の友達の名前を、初対面な赤の他人の店の客、然も女子高生が其れを口にした。
果たして、彼等の友達だった彼は、如何思うのか。
あ……
そんなの怪しむに決まってンじゃないですかァああああッッ!!
え!?ど、どど如何しよ!?え!?
何を如何すれば正解なの!?ぶっちゃける?実は幽霊視えるンです〜って。……否!そもそも幽霊が視える事信じてる人世界に何人居る!?手で数え切れる程しか居ないよきっと!!
あぁ…だから、
あぁ…お爺ちゃん、私はやらかしました。
魂が口から出ている様な状態で、ずっと謝って来るお兄さんを遠目で見た。
『あ、今更だけど俺、諸伏景光!長い付き合いになると思うから、宜しくな!』
自己紹介……今します?
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?*。?神??*。(プロフ) - 鏡花ちゃん惚れるて…( (4月20日 21時) (レス) @page31 id: 21074ec137 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 神作ですね!これからも更新をお待ちしてます。 (11月8日 13時) (レス) @page31 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 鏡花ちゃん…好き… (10月29日 1時) (レス) @page30 id: be2fe8a188 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 本当に神がかってました、、!投稿大変だと思いますが頑張ってください!🫣💭 (2022年11月27日 18時) (レス) @page29 id: cd0eeb5975 (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - 更新をお願い致します!(土下座)楽しみにしてます! (2022年7月8日 23時) (レス) @page28 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2019年7月20日 2時