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大きく目を見開いた太宰さんを見て、ハッとした。
…わ、わわわ私は何を偉そうにものを云ってるの!?
人生の先輩とか此の人より長く生きて無いのに今日会ったばかりの人なのに、私凄く偉そうな事を云ってしまった!?
「いいいいえ!あ、ああの…あのですね!?わ、私はそんな事をするより生きる意味を探す方が楽しいかな〜?と思っただけでありましてね!?別にそんな貴方に説教とか偉そうに云う積もりは無くてですね!?」
そう云い乍も太宰さんの顔色を伺うが、私を凝視した儘だった。
…ど、如何しよう!?
なんか本当に私は余計な事しか云わないな!
気を悪くさせてたら如何しよう!?
『いや、大丈夫だと思うぞ。単に此れは驚いているだけだ』
「へ…?」
『此奴は、そんな真っ直ぐに云われた事が余り無くてな。況してや会ったばかりの人に“死ぬな”と云われた事等無かったから余計に其れが響いたンだろう』
太宰さんの後ろにいるお兄さんは、何処か嬉しそうにそう話してくれた。
へぇ…そうだったンですか。
…否、でも其れって何方にしても私のせいですよね!?
「…お嬢さん、聞いていいかい?」
「は、はひ!何でもどうぞ!?」
暫く黙っていた太宰さんが口を開き、私にそう問いかけた。
何を聞かれるのかドギマギし乍、私は待つ。
その数秒後、太宰さんはゆっくりと口を開いた。
「君は…こんな自 殺願望者の私でも、生きる意味があると云うの?」
其の顔はまるで捨てられた子どもの様でいて、何処か諦めた様な暗い瞳をしていた。
何も知らない自分まで辛くなる程、彼は悩み生きて来たのだろうと思う。
ぎゅっと口を噛み締め、未だに握った儘の手に再び力を込めた。
「…では、今私が貴方に生きる意味をあげます!」
「……へ?」
「ちょっと待って下さいね!」
私はガサゴソと鞄を漁り、目的のものであった其れを取り出し、太宰さんに差し出した。
きょとんとした顔で差し出された其れを見る太宰さん。
「えっと…此れは?」
「お弁当です!」
「否…流石に其れは判るのだけど…」
私が取り出したのは今朝作ったばかりのお弁当。
訳が判らんと云いたげな顔をして、お弁当と交互に私を見る。
「太宰さん、貴方はお腹が空いていますね?」
「え…そうだけど」
「なら此れを食べて其の感想を私に云って下さい!…此れだけでは貴方の生きる意味になりませんか?」
「!」
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9Sに殺されたいロリコン - あ…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………キモくてすんません (2019年8月31日 20時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - すみません……この子が可愛すぎて悶てるわぁっ!!あぁっ!!喰いたい。(真顔)安室さんの女スカ? (2019年8月31日 20時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - リリンゴさん» 本当ですか!?有難うございます!続編を作ってる最中なので、是非出来たら其方も読んで頂けると嬉しいです! (2019年7月16日 23時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
リリンゴ - おもしろいです!最高ですね! (2019年7月13日 18時) (レス) id: 547ee901cf (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 綾乃さん» 綾乃さん!いいお名前…!有難うございます!頑張らさせて頂きます! (2019年7月7日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2019年4月16日 1時