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突然の爆弾発言に、私と太宰さんは同時に噴き出した。
ごほごほと噎せ乍、福沢さんを見ると期待した眼差しで此方を見ていた。
うぐっ…!
そっ其の目は狡いですぅうう!!
え、如何しよう…!?
え、希望通り福沢叔父ちゃんって呼んじゃう?此の歳で?此の人を?叔父ちゃんって?
私の心が色んな意味で押し潰されそうなんですが!
未だに笑いを押さえている太宰さんは放置して、此方をじっと見た儘な福沢さんを見遣る。
ぐっと力瘤を作り、緊張で煩い心臓を静ませ乍、本当に本当に本当に!小さく呟いた。
「…ふ、福沢…お、お…じちゃん…ッッ」
「!!」
「ぶふぁッ」
は……恥ずかしいィいいいいい!!!
何これ拷問!?太宰さんハグに続く拷問なの!?こんな格好良い人を叔父ちゃん呼びするなんて人生に一度あるか無い位なのに!
と云うかですね!?
福沢叔父ちゃんって呼んでた頃の私は本当に小さくて、あれです。何云っても許されるお年頃だったんです。
小学生位の私なら云っても何も問題は無かったでしょうけど、此の歳になって然も高校生でこんな叔父ちゃんだなんて…恥ずかし過ぎるよぉおおお!!
真っ赤になった顔を抑え乍悶えていると、福沢さんに「A」と名前を呼ばれた。
指の隙間から福沢さんを見ると、凄く真面目そうな表情で此方をガン見していた。
「…は、はひ…何でしょう」
「今後共是非そう呼んで呉れ」
二度目の爆弾発言到来です。
「え?…え、ええええ!?ううう嘘ですよね!?」
「嘘などでは無い。私は本気だ。矢張りAにはそう呼んで貰いたい。…本音を云えば、諭吉叔父ちゃんの方が好ましい」
「ゆ、諭吉叔父ちゃんんんん!!?」
「!…嗚呼、其れが好い」
「ンぶふッ…も"…しんどい…ッ」
ゆ、諭吉叔父ちゃんって……
嘘だと思っていると、今までずぅ〜と黙っていた赤毛の幽霊さんがポツリと一言。
『…別に、名前位呼んでやったら好いンじゃないか?』
『何をそんなに戸惑う必要がある?』と本当に判らないのか、こてんと首を傾げ乍訊いて来るので、何も云えずに頭を抱えた。
其処で再び『あ』と何かに気付いた様に、赤毛の幽霊さんが私の横迄来て耳元で囁いた。
『今日迄云い忘れていたが、俺の名前は織田作之助だ。織田作と気軽に呼んで呉れ、A』
呼 び 捨 て
もうッ!心臓保ちません!!
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9Sに殺されたいロリコン - あ…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………キモくてすんません (2019年8月31日 20時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - すみません……この子が可愛すぎて悶てるわぁっ!!あぁっ!!喰いたい。(真顔)安室さんの女スカ? (2019年8月31日 20時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - リリンゴさん» 本当ですか!?有難うございます!続編を作ってる最中なので、是非出来たら其方も読んで頂けると嬉しいです! (2019年7月16日 23時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
リリンゴ - おもしろいです!最高ですね! (2019年7月13日 18時) (レス) id: 547ee901cf (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 綾乃さん» 綾乃さん!いいお名前…!有難うございます!頑張らさせて頂きます! (2019年7月7日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2019年4月16日 1時