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こんなにも美形でイケメンな人に後ろから抱き締められている上、そんな笑顔で名前を呼ばれたらもう其れは赤面しない訳が無い。
むり…と云い乍、私は顔を両手で抑える。
案の定、頬は火照っており、かなり熱い。きっと耳迄真っ赤になっている事だろう。
むり、むりです、私にはこんなのまだはやいです…。
太宰さんにこんな近距離で抱き締められて名前を呼ばれるなんて…そんなのもう恥ずかしく………?…名前、呼ばれ、て……?
……あ、あれ?私、あの時名前云いましたっけ?あれ?
云ってない…よね?…え?え?
「………え?」
ゆっくり覆っていた手を離し、再び太宰さんの顔を見るが変わらずニコニコと笑っているだけだ。
そう、変わらずニコニコと。
段々と私は其の笑顔に恐怖感を得た。
先程迄恥ずかしいと赤面していた筈なのに、今や真っ青だ。
非常に怖くなった私は太宰さんから離れようとするが、其れも予想済みなのか、ガッシリと腕は躰に回され、既に脱出不可能な状態だった。
「ふふふ」
「あ…あ、あの、だ、太宰さ…ッは、はな…離し…」
「だぁめ」
何処か愉し気にそう云うと、一層強く抱き締めて来た。
太宰さんの髪が耳や首に掛かって、かなり擽ったい。
私がピクリと動く度に「ふふふ」と笑うので絶対判ってやっているのだ。
私はもう色んな意味でショート寸前で、如何にかなってしまいそう。
子ども達も柔らかそうな頬を赤らめて、此方をぼーっとして見られているし、幽霊の二人もあら〜みたいな感じで馴染んでるし。
あら〜じゃないです、あら〜じゃ!
私の顔を見て下さい!真っ青でしょ!?
何か名前とか調べられてる上に、こうして捕獲(?)されちゃってるンですよ!?
耳とか首とか凄く擽ったいし…拷問?拷問何ですか!?ヒッ!?すりすりしないで下さいッ!!
は…あぅ、か、揶揄うにも程が有りますぅううう!!
ひ…はや、疾く解放して下さぁあああいィいい!!
店内で叫べる筈が無いので、代わりに心の中で絶叫する勢いで叫んだ。
そんな時
「太宰」
ひどく懐かしい声が響いた。
落ち着きがあり、そして重く渋みの帯びた声。
……待って、真逆違う、そんな訳ない。
彼の人は今ヨコハマに居るンだよ?東京に居る訳無いじゃない。
「太宰。其の娘が…?」
「あ、社長。はい、そうです。此の子が有島武郎の孫娘、有島Aちゃんです」
「そうか…」
う…そ、でしょう?
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9Sに殺されたいロリコン - あ…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………キモくてすんません (2019年8月31日 20時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - すみません……この子が可愛すぎて悶てるわぁっ!!あぁっ!!喰いたい。(真顔)安室さんの女スカ? (2019年8月31日 20時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - リリンゴさん» 本当ですか!?有難うございます!続編を作ってる最中なので、是非出来たら其方も読んで頂けると嬉しいです! (2019年7月16日 23時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
リリンゴ - おもしろいです!最高ですね! (2019年7月13日 18時) (レス) id: 547ee901cf (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 綾乃さん» 綾乃さん!いいお名前…!有難うございます!頑張らさせて頂きます! (2019年7月7日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2019年4月16日 1時