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嗚呼、此の甘い香り…懐かしい。
本当にエリスお姉ちゃんなんだ。
と、小さなエリスお姉ちゃんを抱き締め乍、そう染み染みと思っていた時。
『…逆じゃね?』
『…だよな。どう見ても、この子がAの姉とか無理あるだろ』
『でもさっきエリスお姉ちゃんって呼んでたし…ハッ!まさか、この子も幽霊!?』
『だったらこんだけ話してんのに反応しねえのは、可笑しいだろ』
『…それもそっか。じゃあ…何で?』
『俺が知るかよ…』
「……」
…お二人の事、忘れてましたぁあああ!!
そうだよね!?
普通に考えて小学生位の女の子に、高校生の私が“お姉ちゃん”呼びは違和感しかないよね!?
だが、私もよく理解出来ていない。
何故十年前と何も変わらないのか。其処が一番の謎である。
そして、私達人間とは何かが異なっている気がした。
てっきり、私森さんの娘さんだと思ってたんだけど、違うのかな…。
何時も森さんと一緒に来てたし。
と云う事は近くに森さんも居るの?
「…Aは何も聞かないのね」
「え?」
ぽつりとエリスお姉ちゃんが呟いた。
「あたしが十年前から成長してないの、おかしいと思ったでしょ?」
「!」
「教えてあげる!あたしはね、リンタロウの“異能”なの」
「え…えぇえ!?エリスお姉ちゃんが!?」
さらりと吃驚発言をするエリスお姉ちゃん。
其れに対して私は驚かない訳がなかった。
今までずっと人間の女の子だと思っていたのだから。
あ…でも、其れなら色々納得出来る。
成長してないのも、小さい頃空を飛んでたのも、凄く大きな注射器を持っていたのも……って、気付いてよ私!?
よくよく考えたら不自然な処有りまくりじゃないか!
普通の女の子が飛ぶとか、巨大注射器を振り回すとか、普通に有り得ないから!!
“異能”
私の祖父、有島武郎も所持していた特殊能力。
その力は様々で、万能の力とも云えるものだった。
どう云う訳か、ヨコハマにその異能所持者“異能力者”が多数存在している。
因みに私の祖父もヨコハマ出身だ。
お爺ちゃんが亡くなったあの日、私に呉れた撫子色の光の球…。
あれはお爺ちゃんの異能だった。
小さい頃から見ていたから、よく判る。
そして、私はお爺ちゃんから異能を譲渡された。
私はこの異能をよく考えて、後悔のしない様に使いたいと思っている。
「…あ!もう行かなくちゃ!」
そう云って私から離れた。
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9Sに殺されたいロリコン - あ…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………キモくてすんません (2019年8月31日 20時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - すみません……この子が可愛すぎて悶てるわぁっ!!あぁっ!!喰いたい。(真顔)安室さんの女スカ? (2019年8月31日 20時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - リリンゴさん» 本当ですか!?有難うございます!続編を作ってる最中なので、是非出来たら其方も読んで頂けると嬉しいです! (2019年7月16日 23時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
リリンゴ - おもしろいです!最高ですね! (2019年7月13日 18時) (レス) id: 547ee901cf (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 綾乃さん» 綾乃さん!いいお名前…!有難うございます!頑張らさせて頂きます! (2019年7月7日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2019年4月16日 1時