序章 ページ1
.
無事、時間遡行軍との戦いも終わった。
だが、それは同時にみんなとの別れを表す。
私のもう一つの家だった本丸とも、もう一つの家族だったみんなとも今日でお別れ。
「主」
初期刀の山姥切国広を先頭に、みんなが私にたくさんの花束と手紙をくれた。
あ…泣きそう。
「みんな、本当にありがとう。また、いつか」
みんなやや瞳に涙を浮かべ、微笑んだ。
「主」
「主さん」
「主様」
「主殿」
「あるじさま」
「あるじさん」
「ご主人様」
「「「「また、いつか」」」」
私は彼らの事を一生忘れない。
彼らの思い出、何もかもを私は覚えている。
最後はちゃんと笑って『さよなら』をしなくては
「また、ね…っ」
いつかある奇跡の再会を信じて、私は現代に帰った。
.
涙が溢れるのを堪えた。
そんな事をしたら折角の手紙が濡れてしまう。
「ふぅ…うっ…」
ゆっくり深呼吸をし、私はよしと意気込む。
今日から正式に私は奴良組の三代目補佐として活動する。
三代目である弟のリクオをちゃんと支えて行かなきゃ。
辿り着いた久しぶりの我が家の門を開けた。
懐かしい本家が、奴良組のみんながいた。
そして、私の家族。
「みんな、ただいま」
「「「「お帰りなさいませA様!!」」」」
「「「「お帰り、A」」」」
ここがこれからの私の家だ。
ちゃんと切り替えて行かなきゃ。
と、思っていたのに
「ここが主の家、か」
「すごい大きな所ですね〜」
「本丸より大きいな」
「本当に妖ばかりだねぇ」
聞き慣れた声が聞こえた。
ばっと振り返ると
「え」
さっき別れたはずのみんながいた。
「ん?…んん?な、なんでいるの?」
「見ればわかるだろ、主」
「「「「付いて来ちゃった☆」」」」
「付いて来ちゃったかぁ、そっかぁ………マジか」
さっきの、あの涙のお別れは一体何だったんだ!?
奇跡の再会は私が思っていたよりずっとずぅ〜っと早かった様です。
.
318人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです!続きを待ってます!(*´ω`*) (2021年9月25日 21時) (レス) @page15 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり - 好み過ぎて語彙力どっかに飛んでいきました (2020年6月2日 22時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)
いまづき(プロフ) - 早く続きが読みたいですね! 応援してます! (2019年5月26日 20時) (レス) id: 14b35c0538 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 主〜!灰原哀って子が志保ちゃんですぜ!てか、皆生きてる!ふー↑↑↑↑ (2019年4月14日 21時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
五月七日(プロフ) - 凄く面白いです!続きが気になります。応援してます!! (2019年2月25日 1時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サヒア | 作成日時:2019年1月31日 15時