口説いてる ページ5
23時
今朝約束したこの店に
また足を振み入れた
｢いらっしゃいませ…あっ、｣
また店長のお出迎え…だったはずが
｢おーい、山田ー！お客様きたよ｣
｢え、？！｣
店長が山田さんを呼ぶもんだから
びっくりした
｢いらっしゃいませ、ほんとに来てくれたんですね(笑)｣
私に気づいて駆け寄ってきてくれた山田さん
｢約束したので…｣
｢でも今日はさすがに呑みすぎ禁止ですよ？(笑)今朝たくさん呑んでたので｣
｢わかってます、(笑)明日は授業あるのでちょっとと呑んだら帰ります｣
それはよかった、と彼は笑って
今朝と同じ席へ案内してくれた
｢今夜は何を呑みますか？｣
｢ピーチレディで…！｣
｢それ、今朝飽きるほど呑んでたじゃないですか｣
｢飽きるまでこれ呑んでいたいんです｣
｢変わってるね(笑)｣
｢えっ！(笑)｣
お客様として扱う以上
丁寧な敬語を使う山田さんだけど
不意に敬語じゃなくなる
自然な山田さんが出てきて
どきっ、となる
｢では、今すぐお持ちしますね｣
｢…はいっ、｣
｢…あ、そういえば｣
｢…？｣
｢お客様、お名前を伺ってもよろしいですか？｣
｢…っ？！え、えっと、佐藤…Aです｣
｢Aちゃん…ね、覚えておきます｣
｢…っ、｣
苗字じゃなくて、
下の名前…っ？！、
彼から呼ばれた名前が嬉しくって
胸がきゅーっと締め付けられた瞬間
｢たかきーーー！！！！！！！｣
｢？！！！！！｣
後ろにいた男性がおっきな声を出した
｢…おいっ、！ほかのお客様もいるんだからでけぇ声出すなよ！｣
カウンターの方から店長の�睫擇気鵑�やってきて
後ろの男性を注意した
｢山田がお客さん口説いてまーす！｣
｢はっ？！｣
｢え、山田が？！｣
｢ちょ、大ちゃん、デタラメいうんじゃねーよ！｣
｢なんだよー、ほんとのことじゃん｣
｢なに、？山田、気になるお客様でもできた？｣
｢だーかーら！口説いてないって｣
｢嘘つけ！！！今名前きいてたくせに！！！｣
｢ばっ！それは…！｣
｢ちょ、お前ら声でかいから！(笑)｣
目の前で繰り広げられる光景に
唖然とする私
｢…それにしても山田がねぇ…｣
にやにやしながら
山田さんをみる�睫擇気鵑�
｢だから、違うって！｣
耳を真っ赤にさせながら
否定する山田さん
そして
｢…？｣
後ろにいた男性の横から
視線を感じ
恐る恐る顔を合わせると
パッチリと、目が合った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：どろっぷ | 作成日時：2018年7月14日 16時
