ピーチレディ (ページ2)

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チェリーブロッサムページ2

まだ20歳なり立てのわたしには
少し早いと感じさせるような
大人の雰囲気漂う店内

今まで周りの大学生に比べたら
まだ大人しく真面目に生きてきたわたし

こんなお店に入るのは初めてで
胸が大きく高鳴り
〝場違い〟そう周りから言われてるような気もして
足を踏み入れたことに後悔した

｢いらっしゃいませ、お客様おひとりさまですか？｣

黒髪の男性が柔らかい笑顔で店内を案内してくれた

(…あ、店長なんだこの人、)

彼の胸ポケットをみると
ちいさな名札がついており、
〝店長髙木〟
と、かかれていた。

簡単なメニューの説明を受け、
｢お決まりになりましたら、お呼びください｣といい、別のお客さんの所へ行った。

｢…どうしよう｣

たくさんのカタカナが並べられたメニュー

別にお腹が空いてるわけじゃない
なんならたくさんカラオケで食べてきたから
どちらかと言えばお腹はいっぱい

ただ、なんだか今は
1人で過ごしたくないから
ふらっと来ただけであって、

｢…ファジーネーブル…、？グラスホッパー…？｣

全くなんの味かわかんないし
こ、これじゃ何も頼めない…

でもとりあえず、なにか頼まなきゃ

｢…あ、あの、すいません…っ｣

ちょうど近くにきた店員さんに声をかけると
彼は私の声に気づき振り返った

｢…ちゅ、注文お願いします｣

｢かしこまりました｣

こげ茶の髪色
吸い込まれそうなほど綺麗な瞳
真っ白な肌

何一つ欠点のないその外見に
驚いたと同時に
また変な緊張感が走った

｢えと…こ、これくださいっ｣

咄嗟に指さしたもの

そこには、〝チェリーブロッサム〟とかかれていた

｢…お客様、意外とお酒強いんですね｣

彼は少し驚いたような顔でハンディーに打ち込んでいた

｢…え？これって、そんなに強いんですか？｣

｢…知らないで頼まれたのですか？｣

｢…知識がないもので、｣

場違いというものを
自分からさらけ出してしまったことに
恥ずかしさを感じ
俯いた。

｢…こちらのチェリーブロッサムはアルコール度数25ですので、かなり強めのカクテルでございます｣

｢…2、25？！｣

あまりに大きな数字に驚いた

｢…あの、女性に人気でアルコールも高くないカクテルってどれですか？｣

多分、今の私めちゃくちゃ顔が真っ赤な気がする

恥ずかしさのあまり
その綺麗な顔の彼の目を見ながら
話すことは出来なかった