桜田学園レイン部。-1- (ページ29)

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ニノには『今から戻ります。寮の前で待ってて。』と返しておいた。

「・・・はい、LINE送りました。・・・じゃあ、行きましょっか。」

凛「そうだね、行こっか。」

そう言って、部屋のドアを開ける。

詩「待って～！」

小さめのクローゼットの前で急いで、パーカーを羽織った詩先輩は、私の隣に来て、手を繋いだ。

詩「よし、行こっか。」

・・・まぁ、手を繋がれるのにはもう慣れてしまった。

詩先輩・りんりん先輩と居ると、これが日常茶飯事なので、毎回気にしてるとキリが無い。

部屋を出て、階段を降りると、1階の食堂に何人か溜まって井戸端会議みたいになってた。

すると、その内の1人がコッチに気付いた。

？「おー！詩先輩！」

そう言った子は・・・確か私と同じクラスの……澤田さんだ。

詩「おー、澤田かぁ。ずっとソコに溜まんないでよ？多田ちゃんに怒られるかんね。」

多田ちゃんっていうのは、女子寮と男子寮の食事を担当している人。

壮ちゃんとか、男子寮の人達は『おばちゃん』呼ばわりするけど、そんなに年は取ってないハズ。

多分30代後半ぐらい。

澤田「おぉ、凛菜先輩も居るじゃないですか！」

澤田さんは、『THE・JK』っていう感じのチャラい系に分類される人。

同い年でも敬語を使っちゃいそうなオーラを放ってる。

正直言って苦手なタイプだ。

凛「うん、居るよ？」

・・・どうか、目が合いませんように。

そう思えば思うほど、目は合ってしまう訳で・・・

澤田「・・・あれ？……確か、同じクラスの・・・」

「・・・はい。咲輝夏目です…」

澤田「おぉ！知ってる知ってる～(笑)」

「あっ、ありがとうございます・・・」

そう言って、ペコッとお辞儀をすると

澤田「えっ、チョー可愛いんすけど！」

・・・え？

澤田さんが可愛いと言ったその瞬間、

詩「はいダメー。夏目はウチのだから。取ったら永遠に夕飯抜きだかんね！」

詩先輩が、私を抱きしめてそう言った。

澤田「えぇ～！夕飯抜きはキツイっすよ～！w」

詩「じゃあ手ぇ出すんじゃないよ！分かったね！？」

澤田「はーい。ww・・・じゃあね！なっちー！」

急にアダ名？を呼ばれて、少し戸惑ったけど、

「あっ・・・はい・・・」

ちゃんと返事を返す事が出来た。

凛「ほら、夏目。アイツらが待ってるよ。」

「あっ、はい！」

そう言って、とりあえず食堂を後にした。