桜田学園レイン部。-1- (ページ27)

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凛「とりあえずさ・・・詩、札渡してあげなよ。どうせ、あの5人が待ってるんでしょ？」

りんりん先輩が、見透かしたように言う。

「え・・・何で分かったんですか・・・！？」

凛「ふふん♪Aの事なら何でも分かるよ。(笑)」

詩「ウチの方が、Aの事分かってるし。」

そう拗ねたように詩先輩が言う。

凛「アンタは変態なだけでしょ。ほら、さっさと札出して！」

バサッとりんりん先輩がそう言い捨てる。

詩「別に変態じゃないし・・・」

そう言いながら、部屋の隅っこにある自分の机をガサゴソする詩先輩。

その間、私はりんりん先輩に抱きつかれたまま。

「あの・・・りんりん先輩？」

凛「ん？どした？」

「いつまで、このままですか？」

首を後ろに向けて聞いてみる。

凛「んーとね、用件が終わるまで♪」

・・・そんな満面の笑みで言われても・・・(苦笑)

詩「あったよ～♪」

そう言って、私の隣に座った詩先輩。

凛「・・・てか、何でAの札がアンタの机の中に入ってんの？」

・・・確かに、今思うと不思議だ。

札は、前寮長から次期寮長へと引き継ぐ際に、ケースに入れられて渡される。

そのケースは、確かにこの部屋のドア近くに置いてある棚の上に置いてある。

でも何で私の札は、詩先輩の机の中に入ってたんだろう・・・？

詩「え？決まってんじゃん。失くさないようにだよ。」

・・・はい？(笑)

そう言って、『はい、どーぞ♪』と私に札を渡してくれた。

「あ、ありがとうございます。」

ペコッと礼をすると、詩先輩に横から抱きつかれた。

詩「あー・・・癒しだわ・・・」

後ろと横から抱きつかれてる状態の私は、どうしたら良いのか・・・ww

凛「アンタさぁ・・・他の寮生の札はどうなっても良いわけ？」

詩「うん。特には気にしてない。」

『それが何か？』っていう表情でサラッと言い放った詩先輩。

どうなっても良いって・・・寮長としてどうなの・・・ww

・・・まぁ、とにかく。

「……じゃあ、私はこれで・・・。」

外で5人も待ってるし・・・そろそろ戻らなきゃ。

詩「えっ！もう行くの？」

私が戻ると伝えると、詩先輩は急にシュンとなった。

それに比べて、りんりん先輩は・・・

凛「そっか。」

そう言って、私から離れた。

ホントに対照的な2人だなぁ・・・(笑)