桜田学園レイン部。-1- (ページ22)

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今年の高等部の人数は偶数だから、ちょうど収まる。

私に割り振られた部屋は305号室。

扉の横にあるネームプレートに書かれている名前を見る。

『咲輝夏目＆桂木ナツ』

「やった。ナツと一緒だ……♪」

ナツは、入学当初からの大親友。レイン部の活動が無い時は、いつも2人で行動してる。

私が変装してる事を知ってる、数少ない1人。

偽名の夏目もナツを意識したの(笑)

ナツも中等部の頃から寮生だったんだけど、同じ部屋じゃなかったから『2階では一緒になると良いね！』って言ってたんだよね。……良かったぁ～、ナツで。もし、話した事が無い人だったらどうしようかと思ったわ(笑)

そう思いながら305号室のドアを開ける。

そこにあったのは、ナツの荷物だけ。2段ベッドの上に置いてある。

……って事は、私は下か。私が高所恐怖症なの知ってくれてて、上に荷物置いたのかな。

優しいなぁ・・・私が男だったら惚れちゃってるよ(笑)

ん～、とりあえず部屋の場所は分かったし、荷物は後で良いとして……

「よし、詩先輩の所行こっと。」

詩先輩、部屋に居るかな・・・

私は305号室を出て、詩先輩の部屋へと向かう。

詩先輩の部屋は、思い出さなくても行けちゃう。もう何度その部屋へ拉致られた事か……(苦笑)

詩先輩の部屋は一番奥の401号室。

『中村詩＆佐々木凛菜(ささきりんな)』

りんりん先輩は、詩先輩と同じく、今年で高3。演劇部の部長さんで、演劇になるとスゴく厳しい。でも、普段は優しくて頭が良くて大人っぽい、とてもキレイな先輩。

りんりん先輩も、詩先輩ほどでは無いけど甘やかしてくれる先輩の1人だ。悩んでる時は、いつも的確なアドバイスをくれる。

詩先輩とりんりん先輩も、物凄く仲が良くて羨ましい。私とナツもこんな風になれたら良いな・・・

そんな事を思いながらドアをノックする。

―ｺﾝｺﾝ―

？「はーい。誰～？」

……この声はりんりん先輩だ。

「りんりん先輩。」

そう声を掛けると、光の速さかと思う位にすぐ開いたドア。

凛「A……！久しぶり～。元気してた？ケガとかしてない？大丈夫？」

そう言いながら出て来たりんりん先輩は私をギュッと抱き締めた。