ラッパー短編集2

リク▲ツンデレ＊碧棺左馬刻 ページ29

俺の恋人碧棺左馬刻は
天邪鬼ですぐ怒ってでもたまにデレて……
俗に言うツンデレかもしれない。いや、そうなんだろう。
ツンデレは付き合ったら変にツンツンされて面倒臭いと言われるが、
俺は逆にそれが面白い。なんかあーやって必死になってるの可愛くない？

左馬刻もよく俺が『今日もお疲れ、頑張ったな』とか言うと
「当たり前だろ、つかお前にお疲れとか言われたって嬉しくもねぇわ」
って言われる。でもその時の左馬刻の頬が赤くて口元が緩んでた事は俺だけが知ってる。

それを弟の瑠璃に食事に誘って話してみました。

「……そんなのと付き合ってて楽しい？」
『おいこらなんだとおら』
「目がガチなのやめて。
……いやでもさ、ホントに楽しい？だってそういう事しか言われないんでしょ？」
『そんな訳ないだろ。たまに甘えられたりするし』
「それはツン"デレ”だから。ツンとデレの割合だとどっちが多い？」
『……ツンツンツンツンデレ』
「うっわこわっ」
と言ってミートスパゲティを口に含む瑠璃。俺は未だに何を食べようか迷ってる。

「ん〜とにかく！なんか面倒臭いことあったらすぐ別れな！
そういうのは変に付きまとってくるかもだから、危なかったら俺が何とかしとくよ！」
『面倒くさくないし別れません。喧嘩したらお前に相談するかもだけどな』
「……はぁ……まぁ、今まで兄ちゃんが付き合った相手に悪い子いなかったし、兄ちゃんもそういうの引っかかりにくそうだから……でもなぁ〜」
人の事なのに頭を捻らせてる瑠璃。ホントに優しいな、兄ちゃん嬉しいよ。

ﾋﾟﾛﾝｯ

『ん、あ、ごめん左馬刻から』
「げ」と言ってあからさまに顔を顰めた瑠璃を横目に俺は左馬刻からのメールに返信する。

『……ふふ』
「何笑ってんのさ……見して」
『えーどうしよっかなー』
「いいから見せろや」
『ハイスミマセン』

左馬刻おいA、今どこにいんだ
A弟とファミレス来てる
左馬刻は?俺様を置いて弟と何処ほっつき歩いてんだよ
Aごめんごめん、早く帰るから。
Aもしかして嫉妬した?
左馬刻してねぇし、抜かしてんじゃねぇぞクソが
Aハイハイごめんなさいね
左馬刻早く帰ってこい
A分かったよ

「…心配だわ」
『え、どこが？』

〜fin〜

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