第四十四話 ページ45
ついにその日はやって来た。
中間からOKのような返事が来たのは、決して私を愛しているからと言う訳ではないということはもうわかり切っている。
というか、それが分かっていて私は彼に連絡した。
私はもう、結婚詐欺師には戻れない。
人を愛してしまったから。
戻れないのだから、私の器量の問題でも、彼がひとめぼれをしているわけではないのだ。
流星も、中間も私を愛してなどいない。私が愛していないから。
私は望さんを愛した。
望さんの温かさに溺れた。でも、本当に彼を愛しているのならば、私がこれからしなければならないことは一つに決まっているのである。
もう、誰かに愛されたいとか、愛されているとかの問題ではなくて、私は人を愛するという事を教わったのだから。
そうして、流星は私になんて言うだろう。確かに私を好きかもしれない。自分の人生を投げ出して、私と一緒に犯罪を犯してきたのだから。でも、彼は結局私を裏切って、警察に捕まるように仕向けようとしている。あのまま、一緒に空港に行っていれば、天下の結婚詐欺師『マミ』がのうのうと、一方的に警察に捕まっていただろう。
そんなのは嫌だ。
最後の意地だ。戦に負けると分かった時に、敵に殺される前に、自害するように、私はやってやる。自分の愛とプライドを証明して見せる。
指定されたレストランに深紅のワンピ、血のようなルージュで、私は自ら戦いに負けに行くのだ。
午後7時。
レストランの前には待ち合わせしていた、中間が緊張気味に汗をかきながら待っていた。
「こんばんは。遅くなってごめんなさい」
「いえいえ、ぼ、僕も今来たとこです」中間はひきつった笑顔を見せた。私は強引に彼の胸の中に滑り込んだ。
「愛してます。中間さん」木村は私を抱き返さなかった。
「は、入りましょう」中間は私をはがした。
「はい」今度は中間の手を強く握った。
テスト期間との格闘の末、更新が遅れてしまってすみません。
いよいよ最終章です。
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Yellow girl(プロフ) - ご愛読ありがとうございました (2019年4月21日 14時) (
レス) id: 27310b0535 (このIDを非表示/違反報告)
Yellow girl(プロフ) - ヒット数が1200を超えました。ご愛読、ありがとうございます。 (2018年12月28日 17時) (レス) id: f0bca6cee7 (このIDを非表示/違反報告)
Yellow girl(プロフ) - のんはるさん» いつも、指摘して下さってありがとうございます。これからも頑張ります。亀更新ですみません (2018年12月28日 17時) (レス) id: f0bca6cee7 (このIDを非表示/違反報告)
のんはる - 1つ、義正さんになってますよ。テストお疲れ様でした！ (2018年11月28日 23時) (レス) id: e3f7f52a11 (このIDを非表示/違反報告)
Yellow girl(プロフ) - 明日からテスト一週間前のため、更新が出来なくなります。 (2018年11月18日 22時) (レス) id: f0bca6cee7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Yellow girl | 作成日時：2018年10月10日 18時
