第四十二話 ページ43
誰かの指先が私の輪郭を伝ったような気がした。
髪を大きな大きな手が優しくなでてくれているような感覚。
あったかい。ずーっといつまでも、ここにいたい。
ゆっくり瞼を押し開けると、目の前には眠たそうに眼をつむり左肘をついて、まるで子供を寝かしつけるように大きな右手で私を撫でる望さんの姿があった。
いや、静かな寝息を立てながら、眠っている。寝ぼけているのだろうか。
ただ無防備に私を愛してくれているかのような。
望さんの家だ。
一つになった寝室の布団で、暗闇の中ぼーっとした手元灯が光っている。そのわきの目覚まし時計は、1時を指していた。
私は何をしてたんだっけ？いつも通り、朝御飯をつくり、いつも通り、宅配便を受け取ろうとして・・・・。
そして、私はぞっとした。
今、目のあたりにしている光景を信じられなくなった。
流星に攫われて、バーに行って・・・、の、望さんが警察官だと、私を本当は愛してはいないかもしれないと知らされたのだ。
望さんはバーから私をここまで連れて帰ってきてくれたのだろうか。
逃げなくてはならない。逃げなくては私は捕まってしまう。
寝ぼけて目を瞑ったまま、彼は右手で私を抱き寄せた。
その腕のそのぬくもりは決して愛がないわけではないように感じた。
私は本当にこの人に愛されているのかもしれない。
ずっとここにいたいけど、本当はずっとあなたに愛されていたいけど・・・・。
そう考え始めたら、私の上に重なった太くて長い腕をゆっくり押し上げられずにはいられなかった。
シャワーを浴びて服を着替え、ずっと持ち続けていた血の様に真っ赤なワンピに着替える。
うっすらメイクをし、もとより少ない自分の荷物をまとめ上げ、何の痕跡も残さずに家を出た。
最初から、誰もいなかったかのようにして。
私の事なんて、忘れて欲しかった。
私を愛していてはいけない。貴方は私を捕まえなければいけないのよ。
自然に涙が溢れた。
とぼとぼと、そして急いで、行く当てもない道を歩く。
でも・・・・。
本当に私が彼のことを愛していたのなら夜が明けたら、しなければならないことは決まっている。
私はスマホを取り出して、中間とのLineを開いた。
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Yellow girl(プロフ) - ご愛読ありがとうございました (2019年4月21日 14時) (
レス) id: 27310b0535 (このIDを非表示/違反報告)
Yellow girl(プロフ) - ヒット数が1200を超えました。ご愛読、ありがとうございます。 (2018年12月28日 17時) (レス) id: f0bca6cee7 (このIDを非表示/違反報告)
Yellow girl(プロフ) - のんはるさん» いつも、指摘して下さってありがとうございます。これからも頑張ります。亀更新ですみません (2018年12月28日 17時) (レス) id: f0bca6cee7 (このIDを非表示/違反報告)
のんはる - 1つ、義正さんになってますよ。テストお疲れ様でした！ (2018年11月28日 23時) (レス) id: e3f7f52a11 (このIDを非表示/違反報告)
Yellow girl(プロフ) - 明日からテスト一週間前のため、更新が出来なくなります。 (2018年11月18日 22時) (レス) id: f0bca6cee7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Yellow girl | 作成日時：2018年10月10日 18時
