魔魅【WEST】

第三十七話 ページ38

「そ、それは違う。全部、本当なんやって。真未はもう俺の気持ちに気づいてるんやと思っとった。俺は昔っから、真未の事が女として好きや。」

え？

「だから、真未が詐欺師をしたい言うた時も、一緒に始めたし、真未を裏切ったりなんかせえへん。真未が詐欺師をしたないっていうんやったら、やめたらいい。俺も一緒にやめる。でも、真未が不幸になるのだけは絶対に嫌や。警察にだけは捕まってほしくないんや。」

「私が、・・・・好き？」

「ああ、好きや。」照れくさいのか顔を林檎の様に赤らめて、流星は私に目を合わせなくなった。

そんなことないしって真っ赤な顔で言っていた時のは照れ隠しやったんか。


「だから、一緒に海外にでも逃げよう。」

流星は信じてもいいだろうか。
理由なんて、簡単だ。幼馴染だから、信じてもいいでしょ？と自分に問いかける。

「どこがええ？今、それを調べてたんや。警察が動く前に早く、飛ばへんと。アメリカ？中国？ヨーロッパの方に行きたい？」
流星はパソコンの方に向き直って、マウスのカーソルをカリカリ動かす。

流星を本当に信じてしまってもいいだろうか。

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