第二十三話 ページ24
「私を変えて欲しいんです。」
絞り出した小さくてかすれた声だった。
望は注文したお酒を一口飲んで、しばらく黙って考え込んだ。
私もノンアルコールを飲み干した。マスターにアルコールの入ったお酒を注文する。
そして、ゆっくり口を開く。
「あなたは今の生活に未練はないですか?」
「未練?」
未練か。それはどういう事?
この人は私のことをごこまで知っているのだろうか。この結婚詐欺師の生活。最初は人を欺く快感を覚えた。自立するという事のうれしさを知った。でも、心のどこかで寂しがっている自分がいるから、この生活が嫌なんだ。
「そうです、未練。未練がないのなら、自分が貴方を変えます。」
変えてくれる。この人なら私を絶対に変えてくれるはずだ。
「未練・・・は、ないです。」
口に出すことに少し躊躇した自分がいた。でも、この選択で後悔はしないと思う。
望はうなずくと、もう一口お酒を運んだ。
「真未さん、仕事は不定期ですよね。」
「ええ。」
まあ、結婚詐欺師は不定期だ。でも、何でそう思うのだろう?
「だから、家以外にいる場所がなくて、ホームレスと一緒にいたり、ネカフェで時間をつぶしたりするんですよね。」
「ええ。」そういう事か。私の口にする情報をかき集めて、一つの仮説を立てる。
これが、まるで心を見透かされているような気分になる理由なのだろうか。
「そしてあなたは家が嫌いだ。」
「ええ。」
「そこから、克服しますか。」
「どうやってですか。どうやったら直るんですか?」
涙が頬で乾き始めた。
「自分と一緒に住みませんか?」
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Yellow girl(プロフ) - ご愛読ありがとうございました (2019年4月21日 14時) (レス) id: 27310b0535 (このIDを非表示/違反報告)
Yellow girl(プロフ) - ヒット数が1200を超えました。ご愛読、ありがとうございます。 (2018年12月28日 17時) (レス) id: f0bca6cee7 (このIDを非表示/違反報告)
Yellow girl(プロフ) - のんはるさん» いつも、指摘して下さってありがとうございます。これからも頑張ります。亀更新ですみません (2018年12月28日 17時) (レス) id: f0bca6cee7 (このIDを非表示/違反報告)
のんはる - 1つ、義正さんになってますよ。テストお疲れ様でした! (2018年11月28日 23時) (レス) id: e3f7f52a11 (このIDを非表示/違反報告)
Yellow girl(プロフ) - 明日からテスト一週間前のため、更新が出来なくなります。 (2018年11月18日 22時) (レス) id: f0bca6cee7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yellow girl | 作成日時:2018年10月10日 18時