魔魅【WEST】

第十六話 ページ17

「あの、まず、服を着てください。」

「は、はい。」望は寝起きで眠たそうで寝ぐせもたっている。

「昨日何をしたんですか？」

「何もしてませんよ。昨日の夜、あなたべろべろに酔っぱらってたじゃないですか？それで僕がここまで運んできたんですよ。」
私の反応から、敬語へ戻る望。

望はベッドから出て、ハンガーにかけられたよれたシャツを着る。

「で、私は何で裸なんですか？」

「裸って、さすがに下着ははいでませんよ。ここまで連れて来るのに、雨でぬれっちゃったものですから。さっきも言ったように何もしてませんし。それにしても酔っぱらいながら言ってた話、あれは興味深かったですよ。」

ゲ。私、結婚詐欺の話してたりして。

「私、変な事言ってましたか？」

「いえ、別に変なことは言ってませんでしたよ。でも、あなたとはお友達になれそうです。」

「すみませんでした。」一応謝っておかなくては。

くしゃくしゃのスーツを全て着れた望。

「連絡先、交換しときますか？」

「え？」友達？連絡先？男友達何て、幼馴染以上恋人未満の流星くらいなのに。

「は、はい。」いつか、この人もだますことが出来るだろうから、連絡先を交換するのも悪い手ではない。もしくは知り合いを紹介してもらえるかもしれない。

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