極道上等【Ⅰ】 (ページ6)

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【５話・主人公side】ページ6

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変わらない日常の中、縁側(えんがわ)

でコーヒーを啜る。

哲「お代わりいる？」

障子から顔を覗かせてコーヒーのお代わりを片

手に現れたのは哲也。

私達によく美味しいコーヒーを淹れてくれる。

(人1)「もらう。あ、明日健二郎の誕生日だっ

たよね？」

私の隣に座り込み、ごくごくとコーヒーを喉に

流し込む姿は、悔しいけれどカッコいい。

哲「あーそうだったね。プレゼント買いに行く

の？」

(人1)「勿論よ。直人と臣と剛典、呼んでおい

て」

勿論臣は運転係、剛典は護衛、で、直人はセン

スがいいからアドバイス係。

哲「了解」

出掛ける準備をする為、縁側から自室に移動し

た。

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剛「あっ、(人1)！
」

軽く髪形を整えてクラッチバック片手に裏に停

まってるベンツに向かうと既に３人は集まって

いた。

(人1)「お待たせ」

人「今日寒いね～早く中入ろう」

さりげなく私の肩に長めのカーディガンを掛け

るのは直人。

基本スーツしか着ない皆だけど、直人の場合は

その中でも特にお洒落度が高い。

臣「ん、」

(人1)「ありがと」

自然にドアを開けてくれた臣に甘えて中に入

る。

私に続いて隣に乗り込んでくる剛典。

臣は、私達が入ると静かにドアを閉め運転席に

乗り込む。

助手席には直人。

人「何にするか決めた？」

助手席から軽く顔を覗かせてきて尋ねた。

＿健二郎に似合うもの、喜ぶモノ、

(人1)「ルアー？」

(人1)以外「ぶっ！」

臣「それはねぇわ！」

剛「ルアーって！」

人「ははっ！」

(人1)「...」

３人のツボにはまったらしく、車の中は厳つい

男達の笑い声に溢れた。

私はと言うと、勿論不機嫌。

(人1)「臣以外ここでおろそうか？」

声で口角を上げれば頬をピクピクさせる直人と

剛典。

剛「何で臣さんだけ！？」

隣でキャンキャン喚く(わめく)仔犬を

無視し、スモークになってる窓を見つめる。

臣「俺がおりたら誰が運転すんだよ。(人1)免

許ねぇだろうがよ」

人「岩ちゃん馬鹿だねぇ」

こんな人達でも裏社会の人間で。

スイッチさえ入れば私の知らない顔になる。

＿人間て恐い。