極道上等【Ⅰ】 (ページ33)

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【28話・主人公side】ページ33

私達は寛太が出してくれたお酒と軽いおつまみを口にしながら、最近のお店の状況を聞いたりする。

ちょこちょこ、顔見知りの人が挨拶もしてくれ

て、退屈しない。

流石、人気ホステスだけはある。

と、

愁「(人1)さんじゃないっすか？」

伸「え？どこ？」

少し離れた場所からでも聞こえる、よく通る

声。

間違いない、愁平と伸之だ。

私はゆっくりと後ろを振り返り、二人と目を合

わせると、信じられないとばかりに目を見開い

た。

距離があるにも関わらず、とゆうか、お店の中

にも関わらず全速力で走り、私の元まで近付

く。

私は両手を広げ、そのまま二人を受け止める。

＿ぐっ...重いっ...！

容赦なく私に体当たりをして抱きついてきた二

人を何とか体制を戻して抱き止めた。

ぎゅうぎゅうと両脇から私を力強く抱擁してき

たのは、啓太と同じくここのホステスである、

愁平と伸之である。

入ったのは少し前だけど、二人とも直ぐに【青

薔薇】の顔となった。

(人1)「危ないから走らないの。久しぶりだ

ね？」

二人を離して顔を見つめると、キラースマイル

を出す。

伸「お久しぶりですね♪今日はどのようなご用

件で？」

コテンと首を傾げてあざとく笑う伸之。

(人1)「皆に会いたくなったから...もう少しし

たら帰るけどね？」

お客、とは言い難いため、あまり長居は出来な

い。

愁「えー...もうですか？俺、もう少しお話し

たいです」

捨てられた仔犬のような瞳で目尻を下げると、

剛典とはまた違う犬の出来上り。

(人1)「すぐ帰るわけじゃないよ。啓太、接客

戻っていいよ？」

さっきから何度かボーイに呼ばれているのだ

が、中々席を立たない啓太。

充分話したし、もう大丈夫だ。

敬「んー...なら、二人が接客してよ♪」

スピリタスを煽りながらニヒルを浮かべる。