極道上等【Ⅰ】 (ページ32)

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【27話・翔平side】ページ32

(人1)さんを筆頭に、繁華街を軽快に歩く俺達。

周りには、敬浩さんや臣さんに見惚れる女供。

何より、(人1)さんを気味の悪い視線で舐め回

すように見つめる男供。

勿論、二人が素通りするわけも無く...

敬、臣「...チッ、」

(人1)さんに聞こえない程度に舌打ちを落と

す。

＿お二人さん、顔が般若になってますよ...

鈍感な(人1)さんは見事に周りの視線や話し声

に気付かれてないようだ。

.

俺の目に映るのは、他の建物の３倍近くはある

であろう青と黒を基調とした建物。

慎さんも目を見開いて固まっている。

敬浩さんにエスコートされて重厚な扉を開ける

と、目がチカチカした。

入ってすぐ目についた受付の上に描かれてい

る、綺麗な青薔薇。

チリ１つない洗礼された床は、ぴかぴかと光を

放つ。

何処まで続くんだ？ってぐらいの、広いフロ

ア。

CLUBには何度か足を踏み入れた事はあるけど、

こことは比べものにならない。

＿すげぇ...

啓太「(人1)さんっ！？」

部屋の奥から慌ただしく出てきた男。

黒いピシッとしたスーツに身を包み、綺麗にセ

ットされた髪。

(人1)「...啓太？」

“啓太”と呼ばれた男は、嬉しそうに頬を緩ませ

て返事を返す。

啓太「お久しぶりです！皆さんも、お元気そう

でなによりです」

少し頭を下げ、(人1)さんの華奢な手を持つ

と、優しくキスを落とす。

慣れた様子の(人1)さんはそんな事にも気にも

止めず、頬笑む。

.

啓太に案内されて、かなりいい席につくと、早

速注文。

臣「テキーラ」

敬「スピリタス」

流石にこれには顔がひきつる。

啓太「......(人1)さんは？」

寛太も驚きつつ、注文を聞く。

(人1)「ウォッカ」

＿貴方もですか！

真顔で返すから思い出した。

この人、酒豪でした。

普段、敬浩さんが強いイメージばっかりだから

忘れがちだ。

もしかしたら、敬浩さんと並ぶ位の強さかもし

れない。

(人1)「...二人は？」

にこやかに聞く。

やっとこっちを見てくれた(人1)さんに嬉しさ

が募る。

慎さんも顔面をゆるゆるにしながら笑い返して

いた。

だから、

翔、慎「お任せします！」

つい、(人1)さんに甘えてしまうんだ。

(人1)「...すいません、ウィスキーのロック２

つ」

たまに毒になるけど..