極道上等【Ⅰ】 (ページ31)

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【26話・主人公side】ページ31

その後、臣の運転する車に揺られ、平日にも関わらず賑わう繁華街のど真ん中に到着した私達。

目指す場所は勿論、“彼等”のいる建物。

＿＿＿＿CLUB【青薔薇】

.

繁華街の中でもずば抜けて人気のホステス。

それが【青薔薇】だ。

容姿は勿論、お客様の接待での会話術、頭の回

転の速さ、上位に君臨する者がもつ、独自のオ

ーラ。全てにおいて完璧。

敬浩にエスコートされ、重厚な黒の扉を開けれ

ば、別世界が広がる。

イケメン達に群がり、大量のお金を使いアフタ

ーをしようとねだる者。

ここではアフターは無い。

少しでもそのような行為をしたがる者は２度と

【青薔薇】に立ち入る事は許されない。

厳しいと思う者達もいるが、実力で勝ち取って

こそのホステス。

簡単に体を売るなどもっての他だ。

寛「(人1)さんっ！？」

(人1)「...啓太？」

奥のフロアから出てきたのは啓太。

可愛いらしい顔付きで人気者。

啓太「お久しぶりです！皆さんも、お元気そう

でなによりです」

紳士に私の手の甲にフレンチ・キスを落とし

て、店の中に案内する。

午前中にも関わらず店の中は賑わっている。

私達は店の中で一番見通しのいい席について、

目の前に啓太、右隣に臣、左隣に敬浩、臣の横

に慎、敬浩の隣に翔平が座る。

綺麗なガラステーブルの上には、既にフルーツ

の盛り合わせとワインボトルが置かれていた。

啓太「何か飲みますか？」

臣「テキーラ」

敬「スピリタス」

＿この人達は昼間から...

啓太「...(まじか...)(人1)さんは？」

(人1)「ウォッカ」

二人に流されるように、私お気に入りのウォッ

カをボーイに注文する。

(人1)「...二人は？」

端でキョロキョロ辺りを見渡している翔平と慎

に訊ねると、

翔、慎「お任せします！」

息ピッタリで答えてくれる可愛い二人。

(人1)「...すいません、ウィスキーのロック２

つ」

自分で言うのもあれだが、私は酒豪だと思う。

普段はあまり飲まない方だけど、会合の時とか

になると、かなり飲む。

お父さんには嗜む(たしなむ)程度にし

なさいって言われるけど気にしない。

二人は顔面蒼白になりながら私の顔を見つめ

る。

＿いじめてるわけじゃないからね。