極道上等【Ⅰ】 (ページ30)

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【25話・主人公side】ページ30

啓「お、目ぇ覚ましたか」

両手に大きなお盆を持ってやってきた啓司。

(人1)「今日のご飯、何？」

啓「寿司」

亜嵐と龍友の間に座って、お冷を飲む。

亜「あ、着替えたんですね！」

(人1)「あ～...何か起きたら着替えてた」

着物から私服に変わっていた私。

自分で着替えた覚えはないから、萩花か夏恋ら

へんが着替えさせてくれたんだろうな。

＿後でお礼言わないと...

小さく口角を上げた。

亜「っ、」

息を呑んだ亜嵐に首を傾げ、次から次に出てく

る料理に目を輝かせた。

さっき、あんまりお酒を飲まなかったおかけ

で、頭も冴えてる。

私は龍友から焼酎を貰い、啓司お手製のお寿司

をチビチビ口に運びながら周りに座っている皆

と会話をする。

(人1)「そういえば、さっき翔来たんだって？

何で言わなかったの？」

少し離れた所に座っていた剛典に少し大きな声

で話し掛ければ、肩を揺らした。

翔は私が小さい時からの友達で、繁華街ではち

ょっとした有名人。

お父さんとも仲がよく、たまに家に遊びに来る

事もある。

剛「...(人1)、トイレだったじゃん」

唇を尖らせて何処か不機嫌そうに呟く剛典。

(人1)「そだけど...挨拶はしたい」

＿最近、忙しいみたいで連絡してないし...

血の繋がりだけが家族じゃない。

翔だって、私の家族の一員。

そりゃ、心配にもなる。

ウニを口に放り込んでお箸を置くと、哲也が私

の後ろにしゃがみ込んだ。

哲「明日臣達仕事休みだよ」

(人1)「...え？」

いきなり言われた言葉を呑み込めない私。

哲「行ってくれば？繁華街」

優しさを帯びた双眸に、私の顔も綻ぶ(

ほころぶ)。

(人1)「...うんっ」

明日は誰を連れて行こうか考えながら、目の前

の大トロに箸をつけた。

.

＿次の日.

いつもより少し早く起きて、身支度をする。

黒のホットパンツに、薄手の黒色のダボッとし

たパーカー。

右耳に青いダイヤのピアスをつけ、髪を整えて

広間に行く。

(人1)「...おはよう？」

全員「おはよう／おはようございます！」

皆ピシッとしたスーツを纏い、ワックスで固め

られた髪。

(人1)「今日は誰が来るの？」

襖に凭れ(もたれ)て、腕を組む。

臣「俺と敬浩さんと翔平と慎がつく」

＿多いな...