極道上等【Ⅰ】 (ページ25)

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【21話・主人公side】ページ25

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息苦しいこの空間から出たくて、ケバ子達をや

んわりと嗜める。

(人1)「そんなに剛典が好きなら言えばいいの

では？」

私は剛典の腕を退かし、ケバ子達の前に立つ。

＿香水臭い...

優愛「うるさいわねっ！言えたらこんな事言わ

ないわよ！」

顔を真っ赤にして怒る姿はまるで豚のようで、

思わず笑みが落ちてしまった。

その瞬間、

剛「、(人1)っ！！」

剛典の声が聞こえたと思ったら、ケバ子の１

人、芽衣に顔面から日本酒を思いっきりかけて

きた。

＿あぁ...せっかくの着物が...

私は自分の事よりも、この日の為に作られた着

物が汚れた事に苛立ちを覚えた。

剛「おい、」

頭上から低い、唸るような声が聞こえて見てみ

れば、眉間に深い皺を寄せてギラギラと双眸を

光らせ、ケバ子達を睨む剛典。

芽衣「違うんですっ！これはっ、「何が違ぇ

の？」っ、その...」

剛典の低い声に必死に誤解だと訴える芽衣に、

もはや同情する気力もない。

玲「(人1)さんっ！？」

料理を取ってきた玲於が、私の姿を見るなり声

を荒げた。

＿タイミング悪すぎでしょ。どうすんのさ、こ

れ。

一先ず、濡れた髪を拭くため化粧室に向かっ

た。

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(人1)「酒くさ...」

持ってきていたハンカチで髪を拭くも、かなり

の量を被ったせいであまり落ちない。

それに加え、日本酒の強い臭いが着物にも染み

てしまった。

(人1)「お父さん、まだかな」

早く帰って着替えたい。

重たい溜め息を落として、鏡の中の自分と見つ

めあう。

戻るのが少し躊躇われたけど、仕方なく元来た

道に戻った。

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さっきまでいた場所に戻れば、ケバ子達の姿が

無かった。

(人1)「剛典、あの子達は？」

剛「ん？あぁ、まっとうな道に進む為に知り合

いに仕事先を紹介したんだけど、気に入ったみ

たいで、さっき行っちゃった」

色々突っこみ所あるけど、

(人1)「仕事先って？」

笑みを絶やさないまま、

剛「夜の蝶♪」

＿まぁ、死ななければいいか。