極道上等【Ⅰ】 (ページ21)

今日:25 hit、昨日:4 hit、合計:356,258 hit

【18話・主人公】ページ21

次の日.

朝から萩花に捕まった私は、約一時間半かけ、

別人に変わった。

そして現在、臣の運転する車でパーティー会場

に向かっている。

私の着ている着物は、黒地に赤い薔薇が描かれ

たモノで、化粧も着物に合わせて濃い目に仕上

がっている。

皆もスーツでバリッと決める。

お父さんは仕事の関係で遅れてくるらしい。

それまで私達は組長さんにご挨拶。

大量の高級車に吐き気がするも、気を引き締め

て前を見据えた。

剛「どうぞ。御足元にお気をつけ下さい」

猫を被った剛典が素早く車からおり、私に腕を

差し出す。

(人1)「ん」

ゆっくりと腕を絡めれば、周りにいた野次

馬...組の人達が視線を向ける。

(人1)「わざわざありがとう。気をつけてね」

ここで臣とはお別れ。

車から手を振る臣に笑顔を向けて会場に足を踏

み入れれば、そこは戦場。

何とか地位を上げようとあの手この手ですり寄

る者。

娘を道具のように使う者。

いい男を父親に頼み結婚相手にさせる者。

勿論いい人達もいる訳で...、

ア「(人1)さん！お久しぶりです！今日は広行

様はいないんですね？」

この子はアミ。中島組の１人娘で、数少ない普

通のいい子。

薄紅色の可愛らしい着物を纏い、緩くカールさ

れてる髪は歩く度にふわふわと揺れている。

(人1)「遅れてくるって。１人？」

裕太から渡されたカクテルを飲みながら周りを

見渡す。

ア「居ますよっ♪挨拶しますか？」

ぶりっ子に思える口調も、アミが使えば違和感

が無くなる。

(人1)「ん。案内して？」

歩き出す私の腰を抱いてエスコートする剛典。

剛「序で(ついで)に他の組にもす

る？」

(人1)「勿論。玲於、何か食べ物取っといて？

裕太は入り口でお父さんが来るのを待って

て？」

二人には悪いけど、今から見る光景は二人には

毒だ。

渋々行ってくれた二人を見て、私達も歩く。

.

アミと供に挨拶をし、暫く女子トークに華を咲

かせていると、５人組の女性が近付いてくる。

女１「はじめまして、(人1)様？私、園田組の

優愛ﾕｱでございます♪」

女２「私は神崎組、芽衣ﾒｲでございます♡」

女３「今晩は♪秋山組の要ｶﾅﾒです」

女４「お初お目にかかりますわ。新山組の日和ﾋ

ﾖﾘでございます」

女５「会えて光栄です♪真木組、香苗ｶﾅｴです

♪」