極道上等【Ⅰ】 (ページ17)

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【14話・主人公side】ページ17

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特に変化のないつまらない日々を過ごしている

私。

学生の時も思ったけれど、学校とはどういう所

なのか分からない。

大「(人1)さん？」

世「どうかしたんですか？外なんか見て」

声のした方を見ればお盆を持って首を傾げる大

樹と、湯呑みを持つ世界が立っていた。

(人1)「特に無いけど...強いて言えば学生

を見てた」

私は門の前を通る学生達を目で追う。

大「そういえば、何で(人1)さんは学校に行

かなかったんですか？」

私の隣に腰掛けた大樹が持っていた湯呑みを私

に渡して尋ねる。

暫く間を置き、

(人1)「...行く意味が分からなかったから」

ポツリと答える。

世「行きたく、なかったんですか？」

(人1)「うん。行く意味が分からない」

何か言いたそうな世界に目を向ける。

よく大樹と一緒に行動している世界は、年下組

を纏めるリーダー的存在。

啓司と共にパーティーがある時は料理も作る。

私に美味しいお茶菓子を買ってきてくれるのも

世界だ。

(人1)「行ってもいいんだけど、友達作ってな

んになる？これ以上勉強して何を得られ

る？...そう、お母さんも言ってたし」

お母さん、そう口にすれば肩を揺らした。

大「...姐さんが...？」

五十嵐組・姐、五十嵐彩...私の、亡くなった

母親。

(人1)「(人1)は好きな事をして欲しい。自分の

意思で、自分の好きな事を。それが口癖だっ

た。だから、私は自分の道を進んだの」

一通り必要な勉学と家庭的な知識さえあれば生

きていくのに不便は無い。

世「そうですか...、」

しんみりした空気を紛らわす為にお盆に乗った

お饅頭をかじる。

(人1)「ん、これ美味しい！」

世「！僕も好きなんですよ！」

嬉しそうに笑うから、私の口角も自然と上がっ

た。

＿友達なんかいなくても、皆が居れば私は幸せ

だから。