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僕は、越してきてから2ヶ月間、ショウのことを知らなかった。
ジュンは目立つ存在だったしすぐに覚えたが、彼に弟がいるなんて。
僕はショウと「怪獣」によって結ばれた。
東宝のゴジラ、大宝のガメラ、テレビのウルトラマンシリーズ。当時、怪獣は大人気だった。
ある雨の日、梅雨の時期だったかな、僕は一人家にいた。
テレビで漫才をぼーっとみていた。
誰かが、家の戸を叩き、出てみるとジュンの母親だった。
「お兄ちゃん、ごめんね、お願いがあるの。」
奇妙なアクセントの日本語でつづけた。
「うちにね、病気の子いるの知ってる？お兄ちゃんより、ちょっと小さい子。ジュンの弟。ショウって言うの。小学1年生よ。」
首をふると、少し悲しそうな顔をした。
でも、僕は本当に知らなかった。
「ジュンから聞いたの。お兄ちゃんカイジュの本、いっぱいもってるでしょ？」
そう。僕は、おもちゃや本をいっぱい持っていた。
おもちゃと本だけは欲しいと言ったら買ってくれた。
大人の都合に付き合わされた僕をかわいそうに思ってなのか。
今思うと、落ちぶれようが子どもの欲しい物くらい買えるのだ、と思いたかっただけかもしれないが。
「貸してほしいの。汚さないし、ちゃんと返すから。」
渋る僕にこう、つづけた。
「どうしても心配だったら、家に来て。ショウも喜ぶわ。」
それならいいかな。
僕はジュンの家に行くことになった。
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桃 - はじめまして。トカビ読ませて頂きました。泣きました。私はトカビの夜という小説は読んだことないんですが、純粋にあかっちさんの文章を読んで泣きました。これからもあかっちさんを応援してます (2017年4月2日 18時) (
レス) id: d9a5d5c013 (このIDを非表示/違反報告)
蕣(プロフ) - 初めましてあかっちさん。とても面白く人は外見や噂だけで区別してはいけないな、と思いました。意見なのですが最後、大野さんの息子雅紀くんの話になる前に終わった方が良かったのではと思いました読んでいて私が思った事なのでお気になさらずいい話しをありがとう。 (2017年3月21日 14時) (レス) id: 2fc5b7d80d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あかっち | 作成日時：2017年3月13日 11時
