9人を照らし続ける太陽 Ⅶ (ページ11)

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目「康二！行け！」

『蓮くん！！』
岩「行こう…！」

ひかるくんに抱きかかえられて蓮くんが押さえられる姿を遠くに残してその場から去った

「こっちからならバレない」

そう言って先程とは違う道のりで女の子に案内される

あそこ、と女の子がさした場所には

『だいくん…』

居なくなったメンバーが拘束されていて儀式のようなものが執り行われていた

岩「A…」

向「…みんな…」

「見つけたぞ！捕まえろ！」

そーっと移動していたら後ろから村の男達に見つかり呆気なく捕まってしまう

『いや！！やだ、！いやっ、！お願い！』

力の強い人に抑えられてしまえば非力な私は到底かなうわけもなく

ただただ、幼い頃の嫌な記憶が蘇ってしまう

佐「っ！！」

恐らく酷い顔をしているんだろうだいくんと翔太くんの焦る顔が視界の中に入る

向「ひかるくん…！！！」

『離してよ！やだ！』

私と康二くんはあの村長の前に突き出され

「いっそ女でもいい、どちらかが私が生贄になりますと言え！」

と、私達に迫る

『康二くん、喋ったら嫌う』
向「へ？」

「ほら、言え！」

『私が生贄になります。だから…だから、だいくんを…皆を離して！』

視界が涙でぼやける中そう叫ぶ

感情が爆発した私の口は止まることを知らなくて

『こんな汚い身体でいいならこっちから差し出す！命だって出すお金も出す！臓器だって売る！！！大事な人が居なくなるくらいなら死ぬ！！こんな邪魔な死に損ないは消えてあげるから！！皆を離して…！！！』

向「Aちゃん嫌や！俺なるから！俺がなるから！」

『やだ…だいくん居なくなるのだけはいやなの…お願い……私からだいくんを奪わないでよ…』

その時だったバサッと大きな音共に【ドッキリGP 】そんな文字が現れた

『な、…えっ、？なに？』

向「えっ？なになになに？！」

状況を飲み込めなくてパニックを起こす私と康二くん

ふと、だいくんの方を見れば優しく微笑む彼

そんな彼を見て思わず駆け寄った

『だいく、…よかったぁ…ひっぐ、』

嘘でよかった、そう思うと涙が溢れて止まらなくなった

佐「だからすぐ戻るって言ったでしょ？」

『もうしらない…』

佐「ごめんね？俺はずっと一緒にいるから、ね？」

私は単純だから彼のそんな一言で許してしまう