末っ子のもう一人ご存じですか？？？ (ページ7)

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過去の年末のお話ページ7

.( 2018年年末 )

『お疲れ様～』

カンっというグラスとグラスがぶつかる音がそんな言葉と共にこの居酒屋に騒がしく鳴る

20歳成り立てでお酒もあまり飲んだことも無い為度数の強くないチューハイをちびちびと上層部の人やあまり関わりのない先輩の声をBGMに飲んでると暫くして、あまり見た事のない恐らく事務の人が目の前に座りふと視線をやればばっちりと目が合い

「そろそろデビューじゃない？」

なんて、聞き飽きたセリフを捨て〈女がいるグループは難しいだろうけどな〉なんて見下した、そして全身を舐め回すように下心を込めた視線を私に送る男。

『私がもっと頑張らないとですよね～(笑)来年こそはデビューしたいですよ(笑)』

「そうだよ～藤宮が頑張らないとSixTONESの6人可哀想だよ」

ただでさえお荷物なのにこれ以上重荷になるの良くないよ～とアルコールの匂いを漂わせて指を指す男に苛立ちと何も言い返すことの出来ない自分への無力さを情けなく思い、

そしてそれを聞いていて周りの大人も同調してそうだよと言うこの空気に耐えられなくなり愛想笑いを浮かべながら御手洗に…と立ち上がろうとした時少し離れた場所にいた名前も知らなければ見た事もない社員らしき人が

「藤宮も頑張ってんだろうけどお前は女なんだからもう少し頑張れよ。じゃなきゃ社長に直談判でお前を退所に追い込む」

なんて、脅迫紛いな事を言われてしまい思わず涙がこぼれそうになった

『すみません(笑)来年からはもっと死に物狂いでレッスンするんで大目に見てくださいよ！(笑)』

んじゃ、私御手洗行くので！と笑いながら席を立てば私が座敷を閉めた瞬間私を貶す言葉がポンポン出てくる

つらいなぁ、なんで来たんだろ、そう思いつつトイレには行かず外の空気を吸いにスマホ片手に出ればタイミング良く樹からの電話

田「もしもし？」

『なにー？』

田「お前今事務所の飲み会かなんかだっけ？いつ終わる？」

『わかんない(笑)でも居心地悪いしそろそろ帰ろうかなぁって』

田「だよな、(笑)…今終わってもう家着くから一回家帰ってから俺の車で迎えに行くから住所送っといて。」

そう言われはーいと返事すれば申し訳なさそうにごめんな、と謝られたが何も悪くない彼に謝らせた事に対してむしろ私が申し訳なくなった

『っし、』

もう少しの辛抱。そう気持ちを切り替えてまた座敷に戻る

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