9人を照らし続ける太陽 Ⅸ (ページ31)

今日:6 hit、昨日:9 hit、合計:111,752 hit

変化ページ31

ラウール side

いつもの日常。いつもの光景。

なのに、何故か少しだけ違和感

Aちゃんが佐久間くんに近づく度しょっぴーが少しだけ眉をピクつかせてる

理由はわかんない、だって喧嘩した様子でもないから皆目見当もつかない状態

『だいくん～』

佐「ん？」

『なんで構ってくれないの？』

渡「…A～飲み物買ってくるから付いてきて」

佐「だってA～行ったついでに翔太になんか買ってもらいな？」

『はーい』

なんか違和感。お互いウザイぐらいべったりだったのに今日は佐久間くんが避けてるようにも見える

しょっぴーとAちゃんが財布持って出てったのを確認してからスマホに向き合う佐久間くんに後ろから近寄ってみれば少し見えた画面に写っていたものは〈結婚指輪〉。

「…佐久間くん、あのごめん、画面見ちゃった…んだけど…」

佐「あぁ～…今翔太しか知らないからふっかとかにも内緒ね？(笑)」

小声で俺にそう言った佐久間くんにこくり、と頷いて隣に座る

「…その、するの？」

少し濁しつつ聞けば、するって言いたいけど周りがね…？と眉を少し八の字にした佐久間くん

佐久間くん大変だな。そう感じたのと同時に二人を幸せにしたいな、絶対に結婚まで持っていきたいなそう、強く思った。

俺の力じゃ遠く及ばないかもしれない、何も出来ないかもしれない。でも諦めなきゃ可能性は消えないから

「佐久間くん…俺にも協力させて！」

プロポーズもまだだという佐久間くんにグッと近づいてそう言えばホッとしたように笑う佐久間くん

佐「っ、ありがとう。」

「ううん、佐久間くんとAちゃんが幸せになれるなら俺はなんだってするから気にしないで！」

最年少は頼もしいなぁ！なんてヘラヘラという笑っている佐久間くん、でもなんだかその表情の奥に少し焦りみたいなものを感じた。

「無理しないでね」

佐「まずはプロポーズ成功するかだな」

「…まずは、佐久間くんの覚悟でしょ？」

焦ってない？なんて聞けば図星だったらしく俺の手を引いて楽屋から出れば何も言わずに人気のない場所に連れていかれ

佐「急に連れ出してごめんな、ラウール」

「いいよ、」

あの、さ…と拳をグッと真っ白になるまで握る佐久間くん、彼の口から出た言葉は俺にとってはどうしようもできないんじゃないかって思わせるには簡単だった