悪女代行サービス【utit】 (ページ46)

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悪女ページ46

たくさんの生徒が登校し始め、賑やかになる昇降口。

けれど、生徒会室は暗く重い空気だった。

私が皆さんを悲しませてしまった…。

「本当にごめんなさい。私のせいで皆さんに悲しい想いをさせてしまって…」

俯きながら言う。

怖くて皆さんの顔を見れない…。

けれど、

「神崎さんには怒ってませんよ。逆に、神崎さんは杏奈から僕らを救ってくれました。僕はそれに気づかなかった自分に落ち込んでいるだけです」

相川くんだった。

相川くんは私を許してくれるのだろうか？

でも、許されないことだってした。

「でも私、酷いことしました。一ノ瀬さんには杏奈さんと抱きつくように仕向けたし、月崎さんには失礼なこと言いました。折原くんに至っては抱きついてしまいました」

「は！？」

何故か、反応したのは坂田くんだった。

「せ、センラに抱きついた！？」

「え、うん」

血相を変えて私の肩を掴み激しく揺らす。

「センラなんかに抱きついたらあかんよ！ムナゲとアホが移ってまう！」

「おい、坂田。それは流石に失礼すぎとちゃいます？」

坂田くんの肩に手を置くセンラくん。

笑っているのに目が据わっていて怖い。

「坂田、お前あとで覚えておけよ…。神崎さん、俺はもう怒ってませんよ。それに、かわいくて性格もいい子に抱きつかれたなんて嬉しいですよって、やめろ坂田！」

「ナンパすんなや！このムナゲ野郎！」

な、なんか…

坂田くんがセンラくんを殴っている。

でも、喧嘩というよりじゃれあってるみたいな…。

「ほら、まーしぃも言うことあるでしょ？」

坂田くんがセンラくんを連れて私から離れると、浦田先輩が志麻さんを連れてきた。

「その…殴りそうになってごめん」

「い、いえ！私が変なこと言ったせいですし。本当にごめんなさい」

そして、再び訪れた静寂。

く、空気が重い…。