悪女代行サービス【utit】 (ページ33)

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悪女ページ33

うん。

まあ、予想はしてた。

してたんだけど…。

怖いものは、やっぱり怖い！

「おい。聞いてんのか？」

はい。

私は今、ブラウスの襟を掴まれ脅されています。

志麻さんに。

「お前、杏奈をいじめてただろ」

センラくんといい、志麻さんといい本当に怖いな！

どうしよ…。

きっとこの前の録音聞いただろうから、ぶりっ子だめだよね…。

仕方がない。

また、あれにしよう…

「姫咲杏奈さん？別にいじめてませんけど？というか、そんなこと言うなんてずいぶん自意識過剰なんですね？」

挑発する言葉を選んだ私はバカだった。

志麻さんの怒りのスイッチが入る音が聞こえた気がした。

その瞬間、逃げなければならないと脳内に警報が鳴り響く。

しかし、もう遅い。

志麻さんの片腕が拳を作り、振り上げられる。

殴られる！

そう反射で感じとり、痛みに耐えるため強く目を瞑る。

…が、痛みは感じず、後ろの壁から鈍い音がした。

恐る恐る目を開くと、志麻さんは壁を殴っていた。

あ、危なかった…。

「次はこんなんじゃ済まんからな」

と、私を強く睨み付けた後に去って行った。

「はあ…」

一人になるとあまりの恐怖に思わず、座り込んでしまった。

もう、やだー！

仕事止めたい。

でも、もう契約しちゃってるもんな…。

はあ、頑張ろう…。