明日、ハレルヤｰinarｰ (ページ7)

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慧side

いつもの通常運転で外に行こうと俺を連れ出す大ちゃん。

その遊び心が、俺を誘ってくれることが、実はすごく嬉しいんだよ？

人通りの少ない西門前広場。

風が吹き抜けるたびに、桜はちらちらと散っていく。

その儚さに思わず手を伸ばす｡

俺より１つ年下の君は、本当なら元気一杯に遊ぶ小学生｡

まだまだあどけなくて幼くて。

なのに凄く頼もしく感じてる。

できればずっとそうしていたかったけど。

大貴「そろそろ…帰ろっか。」

その声で宙を彷徨っていた心が戻ってくる。

慧「そうだね。今日も大ちゃんと抜け出せてなんか楽しかった。」

そう言うと、君は嬉しそうに笑った。

マスクをしているのに滲み出るその感情の表現の仕方がまだまだ純粋で。

愛嬌ある君の隣はやっぱり居心地が良い。

ベンチを降りて、歩き出そうとした時。

ぎゅっと胸を握られるような感覚に、息が苦しくなっていく。

胸を押さえて、体の力が抜けて、床に倒れ込む。

最近調子良かったから油断してたのかもしれない。

大ちゃんの泣きそうな顔を最後に、意識が遠のいていった。