明日、ハレルヤｰinarｰ (ページ39)

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大貴side

すっかり元気を取り戻した俺は、以前と変わらず、知念といのちゃんと遊ぶ日々を送っていた。

そして今日は夏祭り！

期待…してはない…多分。

と、頭では考えていても、ずっとソワソワしているのは多分知念もいのちゃんも、光先生も薮先生も気付いてる。

空が暗くなるのを、夜が来るのをこんなにも楽しみにしたことあったっけ？

薮「慧ー、大ちゃんー、お、知念もいたのか。」

知念「もちろん、一緒に行くって言ってたもんね」

薮「ははっ、そうだな！もうすぐ始まるし会場行くか？」

大貴「いくー！」

中庭の広場に小さい町のように店が数個並んでいる。

質素だけど、すごく豪華に見える。

外のお祭りを知らないからかも。

色とりどりの照明が照らされてて、俺たちの心をうまく掻き乱してくる。

薮先生置いてきぼりにして3人でお店を回った。

一周10分もかからない。

でも、それを何周も何周もした。

病院内ということもあって、時間は1時間。

クライマックスとも言える花火の時間は、もう既に始まろうとしていた。

光「大ちゃんは此処で見てような。」

光先生と室内のソファに腰掛ける。

ガラス一枚隔てた向こう側で、知念といのちゃんがこっちを向いて花火を見せてくる。

大貴「花火ってさ…儚い…よね。」

火花を散らして辺りを照らしていた光は一瞬で消えてしまった。

光「そうだな…でも…儚いだけじゃないよ。大ちゃんみたいに、明るく周りを元気にする力も持ってる」

そう言って光先生は俺のほっぺをむにむにっとつまんだ。

大貴「なんだよ、急に。」

ふいっとそっぽをむいたけど、本当は内心嬉しかった。

こんな俺でも、誰かを明るくできてるんだって。

お世辞かもしれない。

でも俺、単純なやつだし…

光「大ちゃんは、えらい！」

今度はがしがしと頭を撫でてくる光先生。

大貴「…ばか。」

光「おまっ…バカって…」

しょぼんとする光先生を横目に俺は目の前で花火をするいのちゃんと知念を見つめていた。