明日、ハレルヤｰinarｰ (ページ30)

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慧side

大ちゃんは結構小柄な方だけど、知念はそれより小柄。

大ちゃんに似てまだまだあどけない感じが可愛い。

俺と大ちゃんの秘密の場所みたいなあの中庭に、知念を連れて行く。

前までの梅雨とは一転、季節は一気に夏へと変わっていた。

大貴「あっつ…」

太陽が高く昇っている。雲一つない。俺らの真っ白な肌には、太陽の光は強すぎる。

大貴「いのちゃん、早めに戻ろうね。」

慧「うん。」

前にここでぶっ倒れたっけ…

その一件に加え、暑さに弱い俺と大ちゃんはあんまり外に長居できないことを分かっていた。

知念「あっつー！これもうざったいし…」

そう言ってギプスをつけている腕をぶんぶん振っている。

慧「そんなに振り回さないのー」

大貴「あっち座ろ」

知念を宥めていると、大ちゃんがいつものベンチを指さした。

知念を真ん中にベンチに座る。

額に汗がじわりと滲むのを感じる。

知念「なんで、中央広場じゃなくて、こっちなの？あっちの方が楽しいんじゃないの？」

慧「うーん、俺はこっちの方が好きなんだ。」

大貴「俺も！」

知念「2人とも、仲良しだねぇ。あ、見てよ！トマト成ってる！」

あまり俺たちのことに深く聞くことはなく、知念はまた違う方へ目を向けた。

近くの花壇に、木に隠れるように植えられていた。棒に巻き付きひょろひょろと伸びるつたに実をいくつもつけたミニトマトが成っていた。

知念はそれを見つけ、嬉しそうに駆け寄っていく。

誰が植えたんだろう。

知念「ねぇねぇ、来て！」

知念に呼ばれ、立ち上がる。

慧「…っ…」

立ち上がった瞬間、ぐわんぐわんと視界が揺れた。

一緒に立ち上がった大ちゃんに、思わず寄り掛かるようにつかまった。

大貴「っちょ、いのちゃん、大丈夫？」

急に寄りかかってきた俺をすかさず支えてくれる大ちゃんにホッとする。

いや、そうじゃなくて。

このままじゃまた前みたいになってしまいそうな…
気がする。