04. 込み上げる期待 ページ5
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「さっき…、大丈夫だった？」
『へ…。』
朝のホームルームが終わった後、隣の席の川村壱馬くんという男の子が話しかけてくれた。
この席になってから半月が過ぎていると言うのに、最低限の会話しかしたことがなかったから、つい戸惑って声にもならない声を漏らしてしまった。
「今朝、倒れかけてたから。」
『あっ、あ〜！いやいやいや、全然、ちょっと寝不足で目眩がしただけだから…！』
この人にも見られていたのか…！
体調不良で倒れたならまだしも、過去のトラウマにうなされて寝不足だったとか口が裂けても言えない。事実、さっきの仮眠で元気に回復した気がするし。全部自分の不注意のせいなのに、こんなに真顔で聞かれると逆に申し訳ない。
「そう、ならいいんだけど。」
『あはは…。川村くんにも見られてたなんて恥ずかしいや。』
「あのとき俺も北人の隣にいたんだよな。」
そうか。あの時、私の後ろに吉野くんと川村くんがいたのか。
倒れた直後は、吉野くんに助けられて舞い上がっていたが、よく考えたらクラスメイトのイケメン2人にかっこ悪い所を見られていたのかと思うと、いっそ、この一連の出来事が何かの罰ゲームなのではないかと疑いたくなる。
「どこも悪いところがないならいいよ。北人が心配してたから。」
『あぇ、吉野くんが…？』
意外なワードに心臓が高なり、先程までの憂鬱な気分はどこかに消えていく。あの後も私を心配してくれていたのか。という事は、よほど倒れた時の私の顔色がとても悪かったのだろう。
待てよ、もしかして、ひょっとしたら、なんて自分の都合の良い想像が浮かび上がる。いやいや、彼が私を…なんて有り得ないから。そもそも心配してくれただけでそんな事を考えつく単純な思考回路に我ながら呆れる。
「あ、うん…まぁ……」
続きを言うことを躊躇う川村くんを不思議に思い、その先を促すように顔を覗き込む。
すると同時に、背後から私の名前を呼ぶ声がした。
「A、さん…！！！！」
それは、今朝、間近で聞いたあの声だった。
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05. 彼の様子→←03. いつもの日常に、違う自分が生きている
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さくら(プロフ) - 亜美さん» コメントありがとうございます！続きを楽しみに思って頂けて嬉しいです！頑張って引き続き更新していきたいと思います！ (2021年4月3日 14時) (
レス) id: 7c5a63d4e7 (このIDを非表示/違反報告)
亜美 - 凄い続きが気に気になります (2021年4月3日 12時) (レス) id: 3c756a53fc (このIDを非表示/違反報告)
aina0826(プロフ) - さくらさん» 別の人だったんですね、すみません。 (2021年4月3日 11時) (レス) id: 9f5a293b5e (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - aina0826さん» ご指摘ありがとうございます。慎くんとは別の人物を想定して名前を付けたのですが、漢字が似ているので分かりにくかったですよね…修正しておきます、すみませんでしたm(._.)m (2021年4月2日 23時) (レス) id: 89a1d5f00b (このIDを非表示/違反報告)
aina0826(プロフ) - 慎くんは長谷川慎くんのことだと思うんですが、漢字が間違えていると思います。嫌な思いをなさったらごめんなさい。 (2021年4月2日 23時) (レス) id: 9f5a293b5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2021年3月20日 23時
