38. 放つ棘と異変 ページ39
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(初っ端からやらかしてしまった…！)
授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、私はほっと息をつく。
北人くんと隣の席になった初日から恥ずかしい姿ばかり見られてしまい、心の中で後悔ばかりの言葉を呟く。緊張と恥ずかしさから出た変な汗を気付かれないようにそっと拭った。
「A、お昼一緒に食べよ？」
机の中に教科書を入れていると、誰かが近づいてきて声を掛けてきた。その大きな影と制服のズボンを見て、先程とは違う汗が噴き出す。
『日向…』
お弁当を持ってニコッと微笑む日向が立っていた。朝一緒に行けなかったからなのか、お昼ご飯をともに過ごそうと提案する。普段なら安心するはずの彼の笑顔は、この数日間の出来事のせいで少し不気味さを感じる。
「なに？今日は日向と3人で食べるの？」
どうしよう、と困り果てていた所に来たのは紗奈だった。日向をずいっと押し退け、彼が私の席にいることに怪訝な顔をする。
「いや、ちょっとAと2人で話したいから。紗奈は今日は他の人と食べてもらってもいい？」
「私、Aしか友達いないのに…か弱い女の子に一人ぼっちで食べろって言うのぉ？」
「……よく言うよ。今朝も一緒にいたし、北人や川村くんと一緒に食べたらどうかな？」
中学生の時、一緒にいた時と同じように少しふざける紗奈を軽くかわす日向。相変わらず爽やかな笑顔のままではあるが、その目は笑っていなかった。
「あはっ、彼氏いるのにそんなこと出来ない〜！」
『あ〜！えっとほら、み、皆で食べよ？その大事な話をするときだけ、紗奈には耳を塞いでもらおう？ね？』
日向がいると、一気に空気が張り付いていつ喧嘩に発展するか分からない雰囲気になる。
私は取り合えず日向と二人きりという空間を避けたくて、無理やり丸め込んだ。日向は「Aが言うなら」と何とか納得してくれたようで、中学生に戻ったかのように三人でご飯を食べることになった。
(…私に言いたいことって何なんだろう…。)
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39. 距離の遠さ ◇北人side→←37. 聞こえる音に比例して
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さくら(プロフ) - 亜美さん» コメントありがとうございます！続きを楽しみに思って頂けて嬉しいです！頑張って引き続き更新していきたいと思います！ (2021年4月3日 14時) (
レス) id: 7c5a63d4e7 (このIDを非表示/違反報告)
亜美 - 凄い続きが気に気になります (2021年4月3日 12時) (レス) id: 3c756a53fc (このIDを非表示/違反報告)
aina0826(プロフ) - さくらさん» 別の人だったんですね、すみません。 (2021年4月3日 11時) (レス) id: 9f5a293b5e (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - aina0826さん» ご指摘ありがとうございます。慎くんとは別の人物を想定して名前を付けたのですが、漢字が似ているので分かりにくかったですよね…修正しておきます、すみませんでしたm(._.)m (2021年4月2日 23時) (レス) id: 89a1d5f00b (このIDを非表示/違反報告)
aina0826(プロフ) - 慎くんは長谷川慎くんのことだと思うんですが、漢字が間違えていると思います。嫌な思いをなさったらごめんなさい。 (2021年4月2日 23時) (レス) id: 9f5a293b5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2021年3月20日 23時
