孤独なオシロイバナ (ページ28)

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帰り道、ドッキリの話だったり動画の話をしながら歩いていた。

まだまだ、これから楽しみがたくさんある。

『楽しみだなこれから』

「A」

突然私の名前を呼ぶ声が聞こえて振り返るとお義父さんが立っていた。

エ「知り合い？」

「私の娘です。今までどこ行ってたんだ？お母さん困ってたぞ。帰るぞ」

私を冷たく見る目は変わらない。

今までやってた雑用やらなきゃけないんだもんね。

『嫌だ。帰らない』

「何を言ってんだ？大学にも行ってないで！」

エ「嫌がってるじゃないですか？」

お義父さんに掴まれた腕を振り払おうとするとエイジくんがお義父さんの腕を掴んだ。

「君は誰だ？Aの彼氏？」

エ「そんなんじゃないですけど。手ぶらでスマホだけ持ってふらふらしてたところを保護しただけですよ。普通だったら心配して娘さんに連絡しますよね。今までそれを一切してないですよね？」

「っ！ちゃんと連れて帰るからな」

お義父さんは私の腕から手を離すと家の方向へ歩いて行った。

微かにふるえる私の体。

今の日常からあの日に戻るのだけは絶対に嫌だったから。

エ「Aちゃん大丈夫？」

『うん。大丈夫...』

エ「俺がそばにいるから。」

その言葉だけが私は安心できた。

震えがだいぶ収まってきた。

『ありがとう。』

エ「大丈夫ならいいけど。とりあえず、帰ろう」