幼き少女の儚い願い(ｼﾃｨｰﾊﾝﾀｰ) (ページ11)

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sweeper10 ページ11

Aside

…夜風に当たりながら、一人でいた。
あの日の悲劇…まるで悪夢だった事件を思い出していた…。

年の離れていた私とやっくんだけど、顔は知っていた。
田舎なので地域の交流は多かったと聞いている。

なので、幼馴染みだ。

だけど、小学生になって暫くした時だ。
都会に出世したやっくんが帰ってきた。

はじめ、みんな嬉しそうに話しかけてたんだけど…次第にキツく当たるようになった。
理由は、この地域を立ち退きし高いビルを建てようとする計画だったからなの。

みんな、猛反発した…。
その夜に事件は起こった。

まるで、ホラーゲームをしてるみたいに一面赤い血が流れていた。

悲鳴で目が覚めると、一階へ。
そこに、黒ずくめの人が立ちその下に両親がいた。

真っ赤な赤を一面にさせて。

初めは気付かなかったが、死ぬと言う気持ちを知った。
近付く黒ずくめ、それから逃げるようと後ずさる私。

「何してる？」

「ぼっちゃま。今から始末を…。」

「お前…Aか？」

そう言われて見ると目元が知っていた。

『やっくん…なの…？どうして、こんなこと！！』

「分からない奴等は、こうなって当然だろ？…女も子供も容赦しない…けど、お前は違う。普通じゃないからな。…生かしといてやる、また会おうな。」

この時は、その意味が分からなかったけど…“普通じゃない”…そう…私の一族は、神より授かった力…遠くを見通す目。
スナイパーとしては十分過ぎる逸材だったんだ。…やっくんにとっては。

バカだな…結局は、やっくん…ボスの元へ戻ってきてしまった籠の鳥…。

抜け出したいよ…りょう兄ちゃん。
…“助けて”。