記憶の嘘3【サボ】 (ページ27)

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覚悟ページ27

Aside

数日後、元気になったところで義理の父ドラゴンさんの部屋まで来ていた。

「なんだ、騒々しいな。」

『お父さん、お願いがあるの。』

いつも以上に真剣なのでドラゴンさんは私の目をじっと見てきた。

「…聞こうか。」

『はい！…私…エースを助けに行きたい！！』

「…火拳のエースか…」

『父さんなら知ってるんでしょ？エースの居場所！！だって…さっきよりも小さくなってるもん。』

それは紛れもない事実である。
日に日に弱まるビブルカード。

その度にエースの命が尽きかけている事を現している。

『…後悔したくない。…サボを救えなかった…兄弟を救えなかったあの日に思い知ったから！』

「…分かった。…ただし約束だ。」

『…約束？』

「魔法の術、死者蘇生だけは奴等に見せるな…約束だ。」

『…もし見せたら？』

「…罰でも考えといてやろう。」

考えてないんだ！

けど、父さんの言う通りだ。
元々、政府が欲しい力は死者蘇生の力。

それがあるとするなら私を狙ってくる…。
エースを危険に晒す。

「…無事に帰ってこい…此処はお前の帰るべき場所であるのだからな。それと…。」

『それと？』

「世界の流れに身を任せる我らとて、怒ることもある。革命軍を敵に回したこと、後悔させてやれ。」

『…それって。』

「存分に暴れてこい。…これが終わったら革命軍は次の段階へ移る！！」

『…了解！！』

私は部屋に戻って荷造りを始めたのだった。
これが重要な任務であることは、分かっている。

楽しみと緊張が私の中で渦巻いていた。