記憶の嘘3【サボ】 (ページ16)

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憎しみよりも愛が勝つページ16

サボside

あのじーさん、逃げるのだけははえーな？

“プルプルプルプル”

鳴った！

「もしもし！」

「《サボ、全員逃がしたぞ！あとは頼んだ！！》」

「待ってたぜ、ハック！了解！！」

電伝虫をポケットにしまい、合図を送った。
もちろん、Aにだ！！

「貴様、父親に向かって…！！」

『だから、私は一度も父親と思ったことないわよ！…それに、今の家族は貴方じゃない！！』

「ぐっ！魔女はどこ行っても嫌われものだ！…分からないお前じゃないだろ！！魔女狩りから逃れた一族…それを行ったのは天竜人だ！知らなかっただろう？」

『…え？』

「表向きは、国の人々とあるが…天竜人が命令してやった。それが俺達の一族だ！！」

な、なんだ！そりゃ！

『うそ…貴方の一族が…魔女狩りを？』

「そのお陰で、ここにも来れたし。そして地位まで与えてくれた…儀式も天竜人が作ったのだ！！」

「暗闇に閉じ込めておくあの儀式か…天竜人、どこまで！！」

『…天竜人はどこまで愚かなの！…悔しい…そんなことの為に国民が殺されたって言うの！！』

「…そうか！てめぇは、Aが逃げることを恐れ…いや、魔女が生きてることを外の連中に知られるのがまずかった。だから始末するよう願ったんだろ！！」

「何故、そこまで…正解だよ！そして、天竜人は喜んでくれたよ…この“魔法の指輪”を。」

「ちっ、天竜人が持ってんのかよ！面倒だな。」

『…サボ…こいつ、殺したい…！！』

やば…！
俺は咄嗟に抱き締めた。

って、体が勝手にそうしちまったが…
大丈夫か…？

顔を見ると憎しみではなく、頬を紅く染めた一人の女の子の表情だった。

か、可愛い…！