交錯する想い…3 (ページ13)

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Aside

飛刄血爪(ひじんけっそう)を放った犬夜叉は、動けない弥勒を担いで距離を取った…その時危機を感じたのだろう…体が熱いと。

犬夜叉は一人殺生丸の元へ飛び出してしまった。
そして、弥勒も殺生丸に付く小妖怪に殴って聞き込みをしてる……

“全てが良すぎる”

弥勒も勘付いている様子だが、誰かが書いた物語を辿っているかの様な感覚…とても嫌な気分だ。
恐らく、手引者がいるはず。殺生丸を唆し、弥勒の風穴を封じる虫を操り、二人が兄弟だと知る者…限られてくる。

私が間違ってなければもうすぐ会えるだろうか？
“奈落”…お前に。

犬夜叉を見ると殺生丸に殴られている場面だった。
のちにかごめはあの時助けられたと言っていた。

そして、弥勒の方へ向くと予想通りの答えが小妖怪から返ってきた。

弥勒「さぁ、吐きな…毒虫の巣、誰に貰った？」

邪見「何者かは知らんが、狒狒(ひひ)の皮を被って姿を隠しておったし…奈落と言う名しか…」

『……やはりな』

七宝「弥勒が追ってる奴じゃな」

弥勒「そいつは何処に！」

邪見「知らぬ。それに知った所で無駄であろう。どうせ貴様は、虫の毒をたっぷり吸い込んで、まもなく“しぬ”のだ。ざまあみろ___」

頭に来たのか、弥勒は小妖怪のたんこぶを更に増やした。やはり、奈落が関わっていた。漸くあの日の出来事が……

っ！これは過去の記憶？

村が一望出来る丘の上で、心地良い風に当っていた。

『四魂の玉を私用で持ち出して大丈夫かしら？桔梗なら守りきるはずよね！』

“それはどうかな？”

『っ！…背筋が凍りつく様な気配…誰！？』

“奴は何も見えてはおらん…お前こそ美しいと言うのに…”

『誰なの！出てきなさい！』

“結界の巫女よ…そなたは愛する者を守れるかな？”

そうだ…そのあと気絶させられて…気付いたら村が火の海…結局、誰も守れなかった。
犬夜叉も桔梗も…皆も…。

七宝「A、どうしたんじゃ？」

七宝の声で我に還った。頭に流れた記憶は間違いなくあの日の出来事。

“奈落とは何者？”

其処へかごめが荷を持って帰ってきた。
様々な薬を出しては弥勒に状態を問うていた。弥勒はと云うと、かごめに口移しを頼んでいた…今は冗談が言えるくらいだと安堵した。だが、いつまで持つか…
急変さえ視野に入れるべき処……

『弥勒、犬夜叉に言うなよ。』

弥勒「え？」

私は弥勒に手を翳し霊力を使って癒やしの力を流した。